2019 Fiscal Year Research-status Report
Effects of air pollution on neuropsychological development in children
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18K19713
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
島 正之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40226197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤木 潤子 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60441268)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 大気汚染 / 小児 / 精神神経系 / 発達 / 出生コホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
兵庫県尼崎市において実施されている出生コホート研究である「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」に参加している約4,800人を対象に、質問票調査を用いて小児の自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)等の発達に関する評価を行った。また、そのうち2019年度に6歳時の医学的検査を受診した129名を対象として精神神経発達に関する検査を実施した。具体的には、保護者の同意が得られた子どもに、臨床心理士が知能検査(WISC-IV)を行って知能指数(IQ: Intelligence Quotien)を測定し、保護者には子どもの情緒や行動を包括的に評価するための質問票であるChild Behavior Checklist (CBCL)に回答してもらった。WISC-IVは119名に実施し、平均±標準偏差は95.0±12.8であり、平均(90~109)が61名(51.3%)、平均より上(110以上)が17名(14.3%)、平均より下(90未満)が41名(34.5%)であり、平均より低い者がやや多かった。また、CBCLは125名に実施し、平均±標準偏差は56.4±8.9、正常域(59以下)は80名(64.0%)、境界域(60~63)は19名(15.2%)、臨床域(64以上)は26名(20.8%)であった。IQが平均より低いものは、CBCLが境界域のものでは61.1%と高率であったが、臨床域のものでは26.1%であった。 さらに、これらの精神神経発達検査の結果と大気汚染への曝露との関連を検討するため、胎児期~乳幼児における大気汚染物質への曝露量を対象者毎に推計する予定であり、調査地域内及び近隣における大気環境測定局における微小粒子状物質(PM2.5)及び二酸化窒素(NO2)等の大気汚染物質濃度を収集し、過去の曝露濃度を推計する方法についての検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年3月に予定していた検査を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度も2019年度と同様に、エコチル調査に参加している子どもが6歳時の医学的検査を受診する際に、精神神経系の発達に関する検査として、知能検査(WISC-IV)によるIQ測定と子どもの情緒や行動を包括的に評価するための質問票であるChild Behavior Checklist (CBCL)に保護者に回答してもらう予定である。さらに、胎児期及び乳幼児における大気汚染物質への曝露量を個人毎に推計して、大気汚染物質への曝露が小児の精神神経系の発達に及ぼす影響を解明する。
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Causes of Carryover |
2019年度は主として子どもとその保護者を対象に精神神経発達についての検査を実施したが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により一部の検査を実施することができず、次年度使用額が生じた。2020年度は最終年度であり、引き続き検査を継続実施するとともに、結果の解析を進めて研究成果の発表を行う予定であり、翌年度分として請求した助成金と合わせて使用する計画である。
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Research Products
(3 results)