2021 Fiscal Year Research-status Report
Establishment for the Real-time visualization system of the radioactive material transfer in the small insect living outdoors..
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18K19855
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 裕美子 九州大学, アイソトープ統合安全管理センター(伊都地区), 教授 (70244340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤淵 俊王 九州大学, 医学研究院, 教授 (20375843)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | 平行多孔コリメータ / カイコ5齢幼虫 / 撮像 |
Outline of Annual Research Achievements |
低放射能の試料を高画質で撮像するためには、検出器と試料(被写体)を近接する必要がある。そのため、コリメータについて検討した。平行多孔コリメータについて、鉛ブロックを加工したもの、および金属3Dプリンタを用いたものを作成し、2種類の画像検出器の準備を完了させた。 また画像検出器(モバイルガンマカメラ)の開発を進め、表示プログラムを作成した。 鉛ブロックの加工は試行錯誤をしながらの作成となり、結果的にはワイヤー放電加工機と型掘り放電加工機の2台を使用して加工することで、60×60×t30mmの鉛に1.5mm辺の四角穴を肉厚0.5mm間隔で676個開けたものが作成できた。 一方、放射性同位元素を投与する対象(被写体)生物であるカイコ5齢幼虫に関しては、これまで(株)愛媛蚕種からの購入系統を用いて137Csを人工飼料に練りこんだ餌を摂食させた後、撮像を実施してきた。しかしこのようなカイコの自発的な摂食による方法では、放射性同位元素の投与量を正確に評価することが困難であることが明らかになった。そこで人為的な投与法でなるだけ正確な量を投与する方策(人工投与)に切り替えるためのスキルアップ(放射性同位元素が入っていない水溶液をカイコ幼虫へ血管内注射、腸管内注射、経口投与の3種類の投与方法で実施)を図った。ただし、これらの手法でも個人のスキルと投与される個体による摂取量と代謝量のばらつきが考えられるため、それらを正確に評価する方法を最終年度に向けて整備した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
画像検出器および表示プログラムの開発に時間を要し、イメージングまで実施できなかった。また、撮像に適切なカイコ幼虫の体の大きさを実施のタイミングで入手できなかった。さらに、動態撮像のための条件を自然界に近い状況として、カイコ幼虫への餌摂食による放射性同位元素の投与を実施してきたが、摂食量と代謝量の個体差を正確に評価することが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
1)作成したコリメータと画像検出器で、試料(カイコ5齢3日目以降の幼虫)の撮像を実施する。2)使用するカイコ幼虫への投与方法として、餌(人工飼料に放射性同位元素入り水溶液を混ぜる、あるいは桑葉に放射性同位元素入り水溶液を塗付する)による摂食ではなく、放射性同位元素入り水溶液を人工的に血管内注射、腸管内注射、経口投与という3種類の投与方法を用いて、正確な投与量と代謝(排出)量の関係を明確にする。また、撮像に適したカイコ5齢幼虫3日目以降の大きさの幼虫を頻度高く入手する。
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Causes of Carryover |
画像検出器および表示プログラムの開発後のイメージングまで年度内に実施できなかった。また、試料側のカイコ幼虫の適切な大きさ(5齢3日目以降)の入手と撮像実験のタイミングがあわなかった。令和4年度は、カイコ5齢幼虫への正確な量の投与、入手先や入手方法を改良することにより頻度を増やして、また昨年度作成した2種類のコリメータと画像検出器を駆使して試料(カイコ幼虫)の撮像を実施する。
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