2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18KK0010
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中里見 敬 九州大学, 言語文化研究院, 教授 (30250963)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
顧 偉良 弘前学院大学, 文学部, 教授 (50234654)
齊藤 大紀 富山大学, 学術研究部人文科学系, 教授 (70361938)
中野 知洋 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (70372638)
杉村 安幾子 日本女子大学, 文学部, 教授 (50334793)
中野 徹 近畿大学, 文芸学部, 准教授 (20610512)
|
Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2024-03-31
|
Keywords | 書簡 / 周作人 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、周作人の遺族が所有する周作人宛の日本語書簡を整理し、目録の作成を行い、保存状態の改善を図るものである。書簡は古いものは100年以上前のものであり、新しいものでも50年の歳月を経ている。そのため紙質・墨跡の劣化や破損は深刻な状態にある。貴重な文化財ともいえる資料の数々が、近い将来には現状のまま保管し続けることができなくなるのではないかと強く懸念される。そのため書簡の保存状態を改善し、将来にわたって適切な状態で保管できるようにすることは喫緊の課題である。2万通の書簡全体を整理するには膨大な時間と労力を要することが予想され、研究期間内で一定の成果に結びつけるには困難が予想される。そこで、日本人研究者が主体となる海外共同研究の強みを活かして、約2千件の日本語書簡の整理を重点的に行う方針とした。 現在取り組んでいるのは、2千件の日本語書簡の目録作成である。差出人、執筆・送信・受信の年月日、消印、封筒の状況、便箋の枚数と状況、書信の内容・用件等々について、目録の基礎データを収集し、最終的にデータベース化する。将来の研究利用や公開を見越して、必要なデータを正確に採取することが必要である。将来にわたって継続して作業ができるような汎用的な形式でデータベース化を行う方針である。 今年度は新型コロナの影響により、予定していた2回の北京での書簡整理を実施することができなかった。そのため書簡の目録作成においては、進展がなく、停滞している。その間、本科研メンバーは各自の研究課題を推進するとともに、本研究課題に関連する文献調査に努めた。 その結果、本年度の研究実績としては、メンバー各自が取り組んでいる研究課題に関わる著書・論文等の刊行にとどまり、本研究課題の主要部分である書簡の目録作成については、現地での実見調査が行えないことから、進展がなかったことはやむを得ない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナの影響で、年2回予定していた、北京での実地調査、目録作成の作業を行うことができなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、新型コロナの状況を見きわめながら、現地調査の再開の時期を探る。現地調査が可能になり次第、当初の計画より長めの期間を取って、目録作成の作業を再開したい。
|
Causes of Carryover |
本年度に2回予定していた北京での書簡の現地調査、目録作成は、新型コロナの影響により実施できなかった。そのため、本研究課題の大部分を占める海外出張旅費が執行できないまま、次年度に繰り越すこととなった。 次年度以降の海外出張も、新型コロナの状況を見きわめながら再開の時期を探るしかないが、再開可能となれば、当初の計画より現地調査の日程を延長するなどして、遅れた研究計画の回復を図るとともに、予算の適正な執行に努めていきたい。
|
Research Products
(13 results)