2020 Fiscal Year Research-status Report
The Political Economy of Global Standards on Developmental Finance
Project/Area Number |
18KK0037
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 基史 京都大学, 法学研究科, 教授 (00278780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 敬輔 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (00316895)
宇治 梓紗 京都大学, 法学研究科, 講師 (00829591)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2022-03-31
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Keywords | 国際政治経済論 / 国際制度 / 地域金融取極 / 国際通貨基金 / テキスト分析 / 計量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該国際共同研究の国際部分は、コロナ禍で遅れが生じた一方、日本側で実施可能な部分は以下のように順調に実施できた。前年度までの研究計画の実施によって、東アジアの地域金融取極(RFA)の内容と効果についてかなりの程度分析が進んだ。とくに、各加盟国政府の金融政策に対する代替効果を解析することに成功し、これによって、国家政策を代替できる信頼ある地域制度の基盤を解明することができた。また、東アジアRFAが発表するマクロ経済報告書および比較のための国際通貨基金(IMF)のマクロ経済報告書のテキスト分析を行ったことによって、東アジアRFAに組み込まれた理念(idea)を析出することにも成功した。それは関係国の政治経済体制を部分的に反映するものとなっており、IMFの新自由主義的な理念と異なることも析出した。 これらの研究成果を踏まえて、本年度の研究実施計画として、複数の英語論文を有力な国際学術誌に投稿し、その知見を世界に発信することを目指した。また、本研究計画では分析を近隣の東アジアからはじめ、そこでの成果を受けて、中東、ラテンアメリカ、中央アジアという東アジア域外のRFAの構築に関わる決定因と効果の分析を手掛け始めた。その結果、比較地域金融制度研究への拡大を図ることになったが、これは、近年、ベルリン自由大学を拠点として成長著しい比較地域ガバナンス研究と歩調を合わせるものとなっている。この新たな研究路線の研究成果が出始めており、次年度において研究論文としてまとめ公表する予定である。 上記の研究に関連して、代表者が会員をつとめる日本学術会議が公刊する『学術の動向』2021年1月号において小特集を企画し、研究成果の一部を反映する論文を掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該国際共同研究の中で、日本側で実施可能な部分は、先の「研究実績の概要」で記した通り、順調に進捗したと判断している。他方、ボストン大学のグライムズ教授らとの国際共同研究の部分は、IMFと東アジアのRFAとの間の制度間連携に関わる論文を作成し、令和3年度に公表される予定である。半面、編著書の計画については基本的な方法性の合意ができたものの、具体的な部分は次年度に検討することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」で記した2つの研究ラインであるRFAの構築と効果に関わる計量分析は、データ分析を終え、次年度に論文作成に着手できる見込みであり、年度初期には終了し、国際学術誌への投稿を行う予定である。テキスト分析に関わる英語論文は微調整を除いてほぼ作成を終了しており、次年度に国際学術誌に投稿することを予定している。前項で言及した編著に関しては、具体的な作業に取り掛かる予定であるが、次年度内に終了できるかどうかやや不透明な状況である。
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Causes of Carryover |
当該年度はコロナ禍で、研究計画で予定してた海外聞き取り調査や国際共同科研研究会が実施できなかった。
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Research Products
(9 results)