2021 Fiscal Year Research-status Report
Empirical Studies of Structure and Evolution in Maritime Transport Networks
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18KK0051
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
坪田 建明 東洋大学, 国際学部, 教授 (50546728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 秀和 関西学院大学, 商学部, 教授 (30368451)
柴崎 隆一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (50323514)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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Keywords | 空間経済学 / 海運 / 歴史統計 / コンテナ輸送 / ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、20世紀に発生した主要なイベントを用いて、その前後で海運ネットワークに生じた変化を定量的に示すことで複数均衡の可能性を実証的に分析することが主要な目的である。 2021年度は引き続きコロナの影響で出張が全くできなかった。これまで現地調査ができなかったため、新しい資料の収集ができない点は大きな困難である。一部の学会はオンラインで参加が可能であった。また、オンライン会議の活用が定着してきたことで、時間・予算効率的な研究が進んでいる。 そのため、これまでに収集したデータのデジタル化を引き続き進めている。この作業に労働集約的な作業が一部にあるため、時間がかかっている。今年度の成果としては、画像データのデータ化についてはAI+OCRの実装において、サンプルとなる年のデータ化がひとまず完成の目途が立った点である。今後は文字認識精度の向上と多年度データへの拡張などに努めていく。 海運ネットワークは、港間の船舶動静データから構成されているわけだが、これの時系列での変化については、当該港およびその後背地の経済情勢・港の荷役能力・設備などに依存するだけではなく、リンクを構成する海運技術の変化などにも強く影響を受ける。そのため、データでは観測しきれない多くの要因に影響を受けている点や、20年程度で後背地などの主要産業が変化することに影響を受けていることなどが分かりつつある。 特に、2021年には、座礁によってスエズ運河が一時的に閉鎖された。改めてスエズ運河の重要性が広く認識される出来事であったと言える。この出来事よりも大規模な形でスエズ運河閉鎖があった中東戦争の効果について、研究が進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
画像ファイルのデジタル化は着実に進めることができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
既に完成している部分のデータベースを用いた研究をより増やしていく。また、まだデータ化できない部分について、引き続きプログラムの作成や委託など、様々な可能性を模索しつつ進めて行く。 なお、積極的に関連諸分野の研究者と交流をすることで、共同研究・共同セミナーなどの可能性も模索していく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により国際学会への参加および現地調査ができなかったために出張費について繰越が生じた。渡航が可能となり次第、出張を適宜実施していきたい。引き続き出張が難しい場合はデータ化や国内データの収集に使途を振り分けることが想定される。
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Research Products
(3 results)