2018 Fiscal Year Research-status Report
International comparative study about the difference in health impacts of social isolation among the older adults
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18KK0057
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
斉藤 雅茂 日本福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (70548768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 登顕 仙台青葉学院短期大学, リハビリテーション学科, 講師(移行) (20804917)
小山 史穂子 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 疫学統計部医員 (40779542)
小坂 健 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60300935)
宮國 康弘 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, 研究員 (90734195)
辻 大士 千葉大学, 予防医学センター, 特任助教 (90741976)
相田 潤 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (80463777)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2021-03-31
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Keywords | 社会的孤立 / 高齢者 / 健康影響 / 社会環境要因 / 日英比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
日英の高齢者を対象にした大規模疫学調査として、JAGES(日本老年学的評価研究:Japan Gerontological Evaluation Study)と、ELSA(English Longtidinal Survey of Ageing)の調査データを用いて、社会的孤立が高齢者の健康に及ぼす影響と関連要因に関する国際比較研究を個票データに基づいて行う。 JAGESでは、2010年以降3年おきに10万人以上の要介護認定を受けていない高齢者を対象にした質問紙調査を実施している(Wave 1~3)。一方、ELSAは2002年以降2年おきに約1万人前後の高齢者を対象に調査データを蓄積している(Wave 1~8)。両調査ともに社会的孤立および多様なアウトカムに関する変数が把握されている。 本研究では、事前にELSA事務局との研究打ち合わせを重ねて、文化的な背景等を考慮した変数のハーモナイゼーションを行うこととしており、2018年度はその準備として研究班会議を複数回開催し、①使用データと変数の選定、②社会的孤立の操作的定義(比較可能な)、③ハーモナイズが必要な変数のリストアップ、④現地で必要な作業課題の整理、について検討を行った。①では方針確定後、データの利用申請を各研究者で進めることとし、順次進めている状況である。②では多次元的な指標を用いるアプローチと交流の頻度・回数のみに着目するアプローチの両方が可能、ということを研究者間で共有した。③では①での方針確定後に過去の経験事例を参考に進めることとなった。④については英国の孤独担当大臣の活動情報収集やサロンなどの視察についての検討を行った。 研究代表はJAGES2003調査とELSA2002調査データを比較分析し、その結果を2019年6月の日本老年社会科学会で報告の予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「高齢者の社会的孤立の健康影響の国際比較研究」に向けて、当初の予定通り「おおむね順調に進展している」といえる。 日本のJAGESデータと英国のELSAデータの国際比較にあたり、使用データと変数の選定、社会的孤立の操作的定義(比較可能な)、ハーモナイズが必要な変数のリストアップ、現地で必要な作業課題の整理、について研究班会議にて検討を行っており、中部地方、東北地方、関西地方と全国に分散している研究者間でも共有できている。
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Strategy for Future Research Activity |
日英の高齢者を対象にした大規模疫学調査として、JAGES(日本老年学的評価研究:Japan Gerontological Evaluation Study)(Wave 1~3)と、ELSA(English Longtidinal Survey of Ageing)(Wave 1~8)の調査データを用いて、社会的孤立が高齢者の健康に及ぼす影響と関連要因に関する国際比較研究を進める。この比較研究では、個票データに基づいて、高齢者の社会的孤立がその後の死亡や口腔ケア、喫煙、飲酒、肥満や睡眠、抑うつなどの健康指標に及ぼす影響とインパクト、および、その緩衝要因として個人単位の社会参加や地域単位のソーシャルキャピタル(SC)との関連などを分析する。 本年7月には社会福祉学、歯科保健学、運動疫学、公衆衛生学、理学療法学など学際的かつ多様なバックグランドをもつ研究班で英国を訪問し、海外共同研究者である、Univeristy College LondonのCable Noriko教授と連携のうえ、ELSA事務局との研究打ち合わせを重ねて、文化的な背景等を考慮した変数のハーモナイゼーションを行う。 2019年にはJAGES(日本老年学的評価研究:Japan Gerontological Evaluation Study)のWave 4 調査の一部として、社会的孤立や社会関係に関して日英比較が可能な設問を追加した質問紙調査を実施する。申請者(斉藤)はJAGESのコアメンバーとして調査全体を統括し、小坂教授および東北大学事務局メンバーを中心に質問紙作成を統括する。ELSA事務局との研究打ち合わせを行った内容を質問紙に反映させる予定である。
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Causes of Carryover |
研究班会議を複数回設定し協議の場を持ったが、他の研究会と同日に開催し、さらに研究会不参加の研究者はスカイプでの参加であったため、旅費の支出が予定より少なかった。 また、研究班会議での、①使用データと変数の選定、②社会的孤立の操作的定義(比較可能な)、③ハーモナイズが必要な変数のリストアップ、④現地で必要な作業課題の整理、について検討を踏まえて確定ののち、1年目に英国を訪問しELSA事務局との打ち合わせを行う予定で予算計上をしていた。しかし、ELSA事務局と研究者間のスケジュールが合わなかったため、1年目の英国訪問が2年目に延期となった。 2年目の渡英については既にスケジュールが確定し、使用する変数の定義(ハーモナイズ)の確認、重み付け等のコマンド確認、共同研究者の要否の確認、孤独担当大臣に関する情報収集等、主な目的や課題は研究者間で共有できている。 また、2019年にはJAGESのWave4調査の一部として社会的孤立や社会関係に関して日英比較が可能な設問を追加した質問紙調査を実施する。
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Research Products
(1 results)