2023 Fiscal Year Annual Research Report
Evolution of the large rivers in the Himalayan foreland basin
Project/Area Number |
18KK0096
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
吉田 孝紀 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (00303446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河上 哲生 京都大学, 理学研究科, 教授 (70415777)
江島 輝美 信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (70712173) [Withdrawn]
齋藤 武士 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (80402767)
酒井 哲弥 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 教授 (90303809)
森 宏 信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (80788183)
中嶋 徹 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 核燃料・バックエンド研究開発部門 東濃地科学センター, 研究職 (60912558)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2024-03-31
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Keywords | ベンガルファン / ガンジス川 / ブラマプトラ川 / ヒマラヤ / 中新世 / 鮮新世 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究として,現在のヒマラヤ山脈から流出する砕屑物の組成について広域的なデータ収集を行い,それらをまとめた. 既に報告してあるガンジス川支流のカリガンダキ川(ネパール),アルン川(ネパール)の現世川砂組成を検討し,石英・長石・岩片量比と重鉱物の種類・量比について検討した.また,ブラマプトラ川の支流であるディバン川(インド),ローヒット川(インド,ノーディハン川(インド),カメン川(インド)においても同様の検討を行った. 結果としてローヒット川の砕屑物が特徴的にオフィオライト帯からの砕屑粒子を含むことがわかった,そのほかの河川での堆積物は,それぞれの構成粒子量には大きな差があるものの,構成粒子組合せとしては同様の組合せを示すことがわかった.その中でもカメン川からの砕屑物は十字石やクロリトイドが多く,他の河川砂とは異なる特徴を示した. ベンガルファン堆積物では,クロムスピネルやアルカリ角閃石を含む堆積物が中新統前期,中期,後期のいくつかの層準で発見されている.また,十字石を多く含む層準も鮮新統で見つかっている.これらの層準は,ブラマプトラ川に由来する砕屑物が卓越している可能性がある.従って,堆積年代の判明しているベンガルファン堆積物において最も早期のブラマプトラ川起源の砕屑物は中新世前期の堆積物と言え,この時期には既にローヒット川に相当する供給水系が成立していた可能性が高い.一方,ガンジス川水系に特有な砕屑物シグナルは判然としていないため,ガンジス川からの供給を明確に示す層準を特定することはできていない. ただし,ベンガルファン堆積物の中期中新統において含まれる青緑色角閃石は北西ヒマラヤやパキスタンのポトハル高原のシワリク層群中に多数報告されている.そのため,ガンジス川西部での供給源岩解析によって青緑色角閃石の起源を限定することができ,砕屑物シグナルとして利用できる可能性がある.
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