2022 Fiscal Year Research-status Report
Evolution of menopause in Hominidae: study on sexual hormonal dynamics and reproductive strategies of female in wild great apes.
Project/Area Number |
18KK0204
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋本 千絵 京都大学, 野生動物研究センター, 助教 (40379011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮部 貴子 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 助教 (10437288)
徳山 奈帆子 京都大学, 野生動物研究センター, 助教 (60779156)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2024-03-31
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Keywords | チンパンジー / ボノボ / 老齢 / 閉経 / おばあちゃん仮説 / ウガンダ共和国カリンズ森林 / コンゴ民主共和国ルオー科学保護区 |
Outline of Annual Research Achievements |
メスが寿命よりも数十年も早く繁殖を終えるという「閉経」は、これまでヒトとクジラ類でしか確認されたことのない非常に稀な進化しにくい形質で、ヒトでなぜ閉経が進化したかについては未だに解明されていない。ヒトに最も系統的に近いチンパンジー・ボノボにおいても、閉経の有無は未だに決着がついていない。本研究は、これまで長期継続調査を続けたウガンダ共和国カリンズ森林保護区の野生チンパンジーとコンゴ民主共和国ルオー科学保護区の野生ボノボを対象に非侵襲的に収集する尿試料による性ホルモンの動態分析を行い、加齢による性生理の変化と閉経の有無について明らかにすることを目的としている。さらに、閉経の進化に関係する社会的・繁殖戦略的な要因、つまり、老齢メスの子どもの生存率や母親から子どもへのサポートによる孫世代の繁殖成功度の増加などについても調べ、大きな議論を呼んでいる「おばあさん仮設」の検証を行う。2022年度は、2015年までに収集した尿サンプルを用いた出産後のボノボのメスの性行動とホルモン動態の経年変化に関する分析を終え、国際学術誌で出版した。この分析には、42才と45才の2頭の老齢メスが含まれてていたが、前者のメスは40才で、後者のメスは44才で出産しており、出産後の交尾行動の再開や性ホルモンの動態にはより若いメスとの顕著な違いは見られなかった。野生ボノボのメスの寿命は一般に40-45才と考えられており、この結果を見る限りでは閉経の存在は確認されなかった。 新型コロナ感染症が落ち着いたため、現在老齢メス等の新たな尿サンプルの収集と分析を始めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナの流行により、野外調査の中断を余儀なくされたため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年となる本年は、可能な限りチンパンジーとボノボの現地調査を行い、老齢メスを中心として尿サンプルの収集を行う。これによって、野生類人猿の閉経現象の有無に関するデータをさらに充実させる。また、老齢メスの出産記録や生まれた子の生存記録などにもとづいて、老齢による繁殖成功の低下や孫の生存に対する影響の有無などを分析し、おばあちゃん仮説の検証を進める。ボノボの性ホルモン動態についての総論をまとめる。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の流行のため、海外調査が中断していたため。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Do female bonobos (Pan paniscus) disperse at the onset of puberty? Hormonal and behavioral changes related to their dispersal timing2022
Author(s)
Toda K, Mouri K, Ryu H, Sakamaki T, Tokuyama N, Yokoyama T, Shibata S, Poiret M-L, Shimizu K, Hashimoto C, Furuichi T
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Journal Title
Horm Behav
Volume: 142
Pages: 105159
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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