2019 Fiscal Year Research-status Report
Understanding of innate immune system-mediated inflammatory response regulated by bioactive lipids
Project/Area Number |
18KK0229
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
齊藤 達哉 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (60456936)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小迫 英尊 徳島大学, 先端酵素学研究所(オープンイノベ), 教授 (10291171)
乙田 敏城 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任助教 (60719946)
|
Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2021-03-31
|
Keywords | 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
リポ多糖に応じて活性化する自然免疫機構であるNon-canonicalインフラマソームを介した炎症応答は、細菌を排除する役割を果たす一方で、過度に誘導されてエンドトキシンショックを引き起こす負の側面も有している。本研究では以下(1-2)の解析を行い、当該機構について分子から生体に至る幅広い観点から理解を深め、当該機構を標的とする治療法の開発に資する基盤的研究を推進する。(1)生理活性脂質がNon-canonicalインフラマソームを抑制する機序を分子レベルで解明する。続いて、(2)当該脂質の産生に関わる刺激・細胞を同定し、生体レベルにおいて炎症応答を抑制する機序を解明する。研究代表者は分子が駆動する細胞応答の解析を、そして海外共同研究者は細胞が織り成す生体応答の解析を主に担当した。H31-R1年度は(1)のプロジェクトに関して、未刺激のマクロファージ、LPSで刺激したマウスマクロファージ、PGJ2で処理した後にLPSで刺激したマクロファージについて、透過型電子顕微鏡観察を行った。未刺激のマクロファージと比べて、LPSで刺激したマクロファージについては顕著な細胞内空胞の出現および細胞膜の不安定化を認めた。また、PGJ2で処理した後にLPSで刺激したマクロファージでは、細胞内空胞は出現するものの、細胞膜の不安定化はほとんど誘導されていないことを確認した。この結果はPGJ2が膜不安定化に関わる分子に作用することを示唆している。また、(2)のプロジェクトに関して、LPS刺激したマクロファージから15d-PGJ2が放出されることを確認した。この結果は、PGJ2がNon-canonicalインフラマソームの活性化に対するネガティブフィードバック機構として働く可能性を示している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LPS刺激に対するPGJ2の作用を形態観察の面から明らかにした。また、マクロファージが15d-PGJ2を放出することを見出した。当初の予定では、3月に海外共同研究者の研究室を訪れ、(2)のプロジェクトを推進する計画であったが、コロナウイルス禍の影響で断念した。訪問の代わりに、メールなどにより密に連絡を取り合い、解析を進めた。
|
Strategy for Future Research Activity |
【プロジェクト(1):生理活性脂質によるNon-canonicalインフラマソームの抑制機序の解明】PGJ2が、どのような分子に作用し、どのような機序でNon-canonicalインフラマソームを抑制するのかを解明する。(A) 前年度までの解析で、biotin-15d-PGJ2がGBP2/GBP5やGSDMDなどのNon-canonicalインフラマソーム活性化に関わる因子と結合することを確認している。R2年度は、これらの分子を欠損したマクロファージを遺伝子改変マウスから単離し、未刺激およびLPS刺激の条件下で電子顕微鏡観察を行う。前年度までに行った野生型マクロファージをPGJ2存在下・非存在下においてLPS刺激した際の電子顕微鏡観察の結果と、本実験の結果を比較し、GBP2/GBP5やGSDMD のどちらがPGJ2の作用点である可能性が高いのかを見定める。本プロジェクトは、研究代表者、研究分担者を中心とする日本の研究者が行う。 【プロジェクト(2):Non-canonicalインフラマソームを抑制する生理活性脂質の産生機序の解明】15d-PGJ2の産生に関わる刺激・細胞を同定し、生体レベルにおいて炎症応答を抑制する機序を解明する。前年度までの解析により、LPS刺激したマクロファージが15d-PGJ2を放出することを見出している。R2年度は、15d-PGJ2の放出を制御する分子機構を明らかにする。具体的には、LPSによるTLR4刺激によるNF-kappaBの活性化や、LPSによるCaspase-11・GSDMD の活性化が関与するか否かを、阻害剤や遺伝子改変マウスを用いて解析する。また、LPS刺激に応じたPGJ2ファミリーの放出がエンドトキシントレランスに関わっているかどうかを、マウスモデルを用いて解析する。本プロジェクトは、研究代表者が海外共同研究者と共に推進する。
|
Research Products
(14 results)
-
-
-
-
[Journal Article] Autophagy Regulation of Metabolism Is Required for CD8+ T Cell Anti-tumor Immunity2019
Author(s)
DeVorkin Lindsay、Pavey Nils、Carleton Gillian、Comber Alexandra、Ho Cally、Lim Junghyun、McNamara Erin、Huang Haochu、Kim Paul、Zacharias Lauren G.、Mizushima Noboru、Saitoh Tatsuya、Akira Shizuo、Beckham Wayne、Lorzadeh Alireza、Moksa Michelle、Cao Qi、Murthy Aditya、Hirst Martin、DeBerardinis Ralph J.、Lum Julian J.
-
Journal Title
Cell Reports
Volume: 27
Pages: 502~513.e5
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-