2023 Fiscal Year Annual Research Report
Modelling of Antibiotics Behavior in the Water Environment of the Thees River, England
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18KK0290
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 宏明 京都大学, 工学研究科, 名誉教授 (70344017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花本 征也 金沢大学, 環境保全センター, 准教授 (10727580)
小川 文章 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(つくば中央研究所), 上席研究員 (60589133) [Withdrawn]
山下 洋正 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(つくば中央研究所), 上席研究員 (80355940)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2024-03-31
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Keywords | 抗生物質 / 河川 / 流域 / 環境動態 / 畜産排水 / 生活排水 / 下水道 / 浄化槽 |
Outline of Annual Research Achievements |
人や家畜に投与された抗生物質が水環境中に排出され、水生生物への生態影響や薬剤耐性菌の環境での水平伝搬が懸念されている。特に薬剤耐性菌は、2050年に世界の健康被害を生じる化学物質の最大リスク因子と認識されており、世界保健機関は、薬剤の適正使用と薬剤耐性菌の発生対策の取り組みを各国に要求している。しかし、抗生物質の使用は不可欠であり、環境を含めた抗生物質の適性管理が必要である。環境分野では、抗生物質の水環境中濃度の実態把握が行われ始めたが、モニタリングには限界があり、水環境中濃度の予測システムとの連携が必要である。排出量の予測に必要な廃水処理での知見は徐々に明らかになってきたが、底質を含めた河川流下過程における抗生物質の水質変換の知見が不足している。このため、日英の流域での抗生物質の存在の相違の原因を検討することを目的に研究を行ってきた。 新型コロナ禍のため、英国への研究者受け入れに制限があったため、主に肝属川での抗生物質等の存在調査を継続した。その結果、汚濁負荷量の実測値と予測値はオーダーが一致しており、豚舎に散布されたDDACの多くが糞尿中に溶出している可能性が示された。 これまで構築してきた日英共同研究の研究スキームを維持発展するため、日英内分泌乱化学物質共同研究ワークショップに参加し、流域からの抗生物質流出機構についての情報と意見交換を継続して実施した。新型コロナウイルスの渡航制限が解除された2023年9月、英国に渡航し、カウンターパートCEH、Andrew Johnson博士、Monika Jorgensen博士の協力により、テムズ川と下水処理場でのでの採水と医薬品類の分析を行った。
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