2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19001001
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
平野 浩 Gakushuin University, 法学部, 教授 (90222249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 良彰 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (40153655)
池田 謙一 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (30151286)
山田 真裕 関西学院大学, 法学部, 教授 (40260468)
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Keywords | 投票行動 / 選挙 / 民主政治 / 政治学 / 政治社会学 / 社会心理学 / パネル調査 / データ公開 |
Research Abstract |
本研究の第3年度にあたる平成21年度においては、第一に、2007年参院選調査および2009年衆院選調査によって得られたデータの分析を進め、各メンバーが様々な機会・媒体を通じてその成果の発表を行なつた。具体的には、小泉、安倍、麻生の3つの内閣下における有権者の投票行動の比較を通じて、(1)首相個人に対する好悪、景気対策や外交などに関する内閣業績評価といった諸要因が投票行動に与える影響の大きさは、それぞれの内閣によって異なっており、例えば首相個人への好悪の影響は小泉内閣期において相対的に大きく、麻生内閣期には相対的に小さい、(2)ただし同時に、いずれの内閣期においても、首相評価や内閣支持に対しては国全体の経済状況に関する認識が大きな影響を与えるが、自分自身の個人的な経済状況に関する認識はそれほど大きな影響を与えていないといった点での一貫性が認められる、等の知見が得られた。これ以外にも、様々な価値観、社会的・心理的属性、政治的関心や満足度などが投票行動に与える影響が明らかにされた。第二に、本研究における第4波調査として、2009年衆院選調査と2010年夏に実施を予定している参院選調査の間を繋ぐと同時に、選挙時の調査においては調査環境や質問量などの制約によって質問することの難しい様々な政治意識項目に関して、実験的な試みも含めたデータ収集を行うことを目的として、2010年1月下旬から2月中旬にかけての郵送調査を実施した。この調査によって有権者の抱く政治的な記憶、選挙制度に対する評価、様々な社会的集団や社会的状況と政治との関連に関する意識など、投票行動の背景にある有権者の意識について極めて興味深いデータを収集することができた。このデータに関しては、現在基本的な集計作業が完了し、引き続きより詳細な解析が進められているところである。
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Research Products
(19 results)