2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19002014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山中 伸弥 Kyoto University, 再生医科学研究所, 教授 (10295694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 誠人 再生医科学研究所, 助教 (10379539)
高橋 和利 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 特定拠点助教 (80432326)
小柳 三千代 再生医科学研究所, 産学官連携研究員 (90432327)
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Keywords | 再生医学 / 幹細胞 / 分化多能性 / 核初期化 / 転写因子 |
Research Abstract |
胚性幹(ES)細胞は細胞移植治療の有望な資源として期待されているが、倫理的課題や、移植後の拒絶反応が課題となっている。これに対して、体細胞から樹立する多能性幹綿胞であるiPS細胞が一つの解決策を提供するものと期待されている。 本研究では、iPS細胞の臨床応用の知識基盤を盤石とするため、iPS細胞の由来を同定し、かつiPS細胞誘導過程における4因子(0ct3/4、Sox2、c-Myc、Klf4)の作用機序を解明していく。本年度の研究実績は以下の通りである。 まず、iPS細胞の樹立条件を再検討し、レトロウイルスベクターによるc-Myc導入無しの3因子導入で、4因子導入と同様のiPS細胞(Myc-(マイナス)iPS細胞)の樹立に成功した。このMyc-iPS細胞由来のキメラマウスでは腫瘍の形成は6ケ月の観察期間において認められなかった。したがって、多能性誘導プロセスにおいて、細胞外から導入する4因子においてMYCは他3因子とは異なる特性を有すること、またiPS細胞の安全性の改善を示した。次に、iPS細胞の由来や成立の機序を明らかにするため、成体マウスの肝および胃の細胞に4因子を導入し、iPS細胞を樹立した。遺伝学的な解析により、肝細胞または肝前駆細胞がiPS細胞に変化したことが確認され、iPS細胞は真に体細胞に由来することを明らかにした。また、iPS細胞の複数のクローンのゲノムでのウイルスベクター挿入状況をインバートPCR法で調べたところ、iPS細胞誘導には染色体の特定位置への因子導入は不要であることも明らかにした。 一方、Nanog遺伝子座に緑色蛍光蛋白質(GFP)をノックインした体細胞に4因子を導入し、継時的にGFP陽性細胞を回収、各時点において、DNAマイクロアレーによる遺伝子発現解析や、ChIP on Chipによるクロマチン修飾状態、4因子の標的への結合の網羅的解析を進めた。また、iPS細胞を誘導する4因子のファミリー蛋白質、変異体によるiPS細胞誘導の可能性についても鋭意検討している。
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Research Products
(97 results)