2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19002014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山中 伸弥 京都大学, iPS細胞研究所, 教授 (10295694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 誠人 京都大学, iPS細胞研究所, 講師 (10379539)
高橋 和利 京都大学, iPS細胞研究所, 講師 (80432326)
渡辺 亮 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (60506765)
山本 拓也 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (60546993)
KNUT Woltjen 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (50589489)
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Keywords | 再生医学 / 幹細胞 / 分化多能性 / 核初期化 / 転写因子 |
Research Abstract |
体細胞にいくつかの転写因子を導入することで体細胞の核が初期化されES細胞によく似たiPS細胞が樹立できることを既に報告してきた。本研究では、新規誘導因子の同定とより詳細な初期化の分子メカニズムの解析を行った。 初期化誘導因子としてc-Mycを用いた場合に腫瘍化のリスクがあることが分かり代替因子の探索を進めた。その結果、同じMycファミリーのL-MycがiPS細胞の誘導効率を上昇させ、腫瘍化のリスクも非常に低いことを見いだした。 初期化誘導過程における分子機序を明らかにするために、薬剤で初期化誘導遺伝子群の発現を自在に制御することで高効率に初期化を行うシステムの構築を行った。体細胞がiPS細胞になる中途段階の解析を行うために、数%程度の割合で存在するリプログラミングされ始めた細胞を分離・濃縮し、ヒト線維芽細胞が初期化を受け進行していく過程を詳細に解析した。また、その知見を利用し、iPS細胞の樹立効率に影響がある因子として同定したLIN28,p53,Cyclin D1の作用メカニズムを明らかにした。 遺伝子発現制御機構の一つであるDNAメチル化について、ディープシーケンサーを用いたゲノムワイド解析を行い、4000箇所を超えるiPS細胞に特異的なDNAメチル化領域を同定した。そして、これらの領域と初期化誘導因子のDNA結合配列に相関があることを示し、エピゲノム制御が初期化に大きく関わっていることが示唆された。 次世代シーケンサー用いたRNA-seq解析によって初期化前後におけるスプライシングバリアントごとの発現プロファイリングを行った結果、体細胞初期化前後でスプライシングパターンが変化する遺伝子を500個以上同定した。さらに、スプライシングパターンが変化するタイミングは遺伝子ごとに異なり、初期化の様々な段階で起こることを示した。
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Research Products
(47 results)