2008 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノ粒子と混合導電性酸化物の相互作用を利用した高性能電極の設計
Project/Area Number |
19017008
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
内田 裕之 University of Yamanashi, クリーンエネルギー研究センター, 教授 (20127434)
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Keywords | 金属ナノ粒子 / セリア / ニッケル / 混合導電体 / 高性能電極 |
Research Abstract |
本研究は、金属ナノ粒子と混合導電性酸化物間の特異な相互作用を解明・制御して高性能電極を開発し、ナノイオニクスの発展に貢献することを目的とする。本年度は、以下の成果を得た。 1) 噴霧プラズマ法で合成したNi-SDC複合粒子のNi粒子サイズ制御とSOFCアノード特性 昨年度報告したように、組成と粒径がよく制御されたSDC固溶体とNiOの複合粒子がSSP法により一段階で簡便に合成できる。この粒子は中空状であり、Ni, Ce, Smが均一に分布していた。水素気流中800〜1000℃で1時間還元処理するとNiOは全てNiに還元できた。NiとSDC間の強い相互作用により、SDC表面にアンカーされた状態でNi粒子が析出し、Ni結晶子サイズは、1000℃還元では50nm、800℃では37nmであった。還元温度を低くするほどNi粒径を小さく制御できることがわかった。 このNi-SDCをYSZ電解質に取り付けてSOFCアノード特性を評価した結果、17vol%-Niで最大活性を示すことを見出した。 2) ヘテロ界面制御 : 混合導電性酸化物LSCF酸素極の長期耐久性 La_<0.6>Sr_<0.4>Co_<0.2>Fe_<0.8>O_3(LSCF)+SDC/LSCF二重層構造電極を900℃、0.5A/cm^2で酸素発生させ、5000時間の耐久性を実証できた。落雷での停電での急冷、作業停電での室温までのヒートサイクルにも耐え、0.15V以下(vs. air)という高い性能を維持できた。試験開始時と再起動時に、一度上昇した電位が緩やかに回復する原因は、電極内の粒子同士の焼結がガス拡散性を抑制しない程度に進行してイオンと電子の導電ネットワークが向上し、有効反応領域が増大することに加え、LSCF中のCoの価数変化または相変化が起こっている可能性が高いことを明らかにした。
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Research Products
(9 results)