2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19020003
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小笠原 正道 Hokkaido University, 触媒化学研究センター, 准教授 (70301231)
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Keywords | アレン / パラジウム / 軸不斉 / 不斉合成 / 不斉転写 / 遷移金属触媒 / 均一系触媒 |
Research Abstract |
集積炭素-炭素二重結合を有するアレン類は独特の特徴ある反応性を示すことが知られているものの、有機合成への応用はまだまだ限られているのが現状である。アレンを合成反応の基質とする場合、集積した2つのC=C結合に起因する立体化学的要因により、単純オレフィンに対する反応よりも複雑な選択性が要求される。これらを問題を制御できれば、アレン類は精密有機合成におけるユニークな基質となりうる。アレン類の既存の合成法のほとんどは古典的な手法でありその入手も容易ではないため、有機合成への応用も限られている。研究代表者は従来より「遷移金属錯体触媒を用いる効率的なアレン合成反応の開発」をテーマの一つとして研究を行っている。本研究では「遷移金属錯体触媒を用いるアレンの合成化学の新たな展開」を目指した。一つ目の成果として、パラジウム触媒による軸不斉アレニルシランの不斉合成法を見出した。得られたアレニルシランを適当な求電子剤と反応させると、アレンの軸不斉を生成物中の中心不斉へと完全転写できる。また、適当な置換基を導入することにより、三級/四級炭素を不斉合成できることを示した。2つ目の成果としては、パラジウム触媒反応を応用して種々の環状アレンを合成する手法を確立した。環状アレンにおいては、アレン末端を架橋する炭素鎖によりアレン骨格の一方の面を遮蔽することができ、それによりアレンの反応における立体選択性を制御できることを示した。3つ目の成果としては、(アレニルメチル)シランの分子内環化反応における特異な転移反応を見出した。我々の反応においては、アレン骨格が1つ隣の炭素ヘアレン構造を保持したまま転移するという、従来報告例の無いものである。
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Research Products
(25 results)