2007 Fiscal Year Annual Research Report
(フルオロシリル)フェニルメタル化合物を反応剤とする含典型元素パイ電子系の構築
Project/Area Number |
19020048
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
河内 敦 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 准教授 (70260619)
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Keywords | アリールシラン / アリールリチウム / カップリング / 含ケイ素ポリマー / 高配位ケイ素化合物 |
Research Abstract |
われわれはこれまでに,δプロモ(フルオロジメチルシリル)ベンゼン(1)にEt_2O中でter-BuLiを作用させると,対応するδ(フルオロジメチルシリル)フェニルリチウム(2)が生成することを見出している。今回,2とGeCl_2・dioxaneとの反応により,含ケイ素ゲルマニウム四員環化合物であるベンゾシラゲルマシクロブテン3を合成することに成功した。 フェニルリチウム2にEt_2O中,-78℃で0.5モル量のGeCl_2・dioxaneを加えた後,-60℃で19時間撹拌した。無機塩を除去した後,ヘキサンから再結晶すると,3が無色の結晶として収率55%で得られた。3の^<19>FNMRはδ-155.78(sept,^3J_<F-H>=8Hz)に,^<29>Si NMRはδ15.25(s)およびδ20.99(d,^1J_<si-F>=281Hz)に観測された。3の構造は最終的にX線結晶構造解析によって決定した。3の生成機構を以下のように推測した。(i)2分子の2とGeC1_2とが反応してジアリールゲルミレンが生成する。(ii)さらにこのゲルミレンと2とが反応しトリアリールゲルミルリチウムが生成する。(iii)このゲルミルリチウム部位とフルオロシラン部位との分子内反応により閉環が起こり,3が生成する。次に,同様の条件下で2とSnCl_2とを反応させると,1-シラ-2,3-ジスタンナインダン4が収率18%で生成した。X線結晶構造解析により,4の構造を決定した。4の生成は,GeCl_2の反応と同様に,トリアリールスタンニルリチウムが生成した後,これにさらにジアリールスタンナンが挿入した後,閉環反応が起こったものと考えられる。
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Research Products
(9 results)