2007 Fiscal Year Annual Research Report
植物の環境応答に必須な植物固有の新規ドメイン「MIZ」が統御するオルガネラ動態
Project/Area Number |
19039005
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 秀幸 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70179513)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮沢 豊 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教 (00342858)
|
Keywords | MIZU-KUSSEI / MIZドメイン / シロイヌナズナ / 植物 / 水分屈性 / 突然変異体 / 環境応答 / 根 |
Research Abstract |
本研究では、植物が環境適応戦略としてオルガネラ動態を制御する機構を明らかにする目的で、根の水分屈性に必須なMIZ分子の機能解析を行っている。平成19年度における研究では、以下の成果を得た。 1)MIZ1は、陸上植物の水分屈性に必須であるが、その分子機能は分かっていない。そこで、MIZ1と蛍光タンパク質(GFP)を融合させたタンパク質をシロイヌナズナで発現させ、その発現を共焦点レーザー顕微鏡で解析した。その結果、MIZ1のシグナルは根冠のコルメラ細胞ならびに初期伸長領域の細胞質に局在し、その発現は水分勾配刺激の影響を受けないことがわかった。また、MIZ1過剰発現体を作成して、その表現型解析を行った結果、水分屈性が有意に亢進された個体を得ることに成功した。 2)MIZ1には陸上植物特有のMIZドメインが存在する。この機能を明らかにする目的でヒメツリガネゴケに見出された3個のMIZ1相同遺伝子のノックアウト個体の作出を試み、2遺伝子のノックアウト個体の作出に成功した。現在、これらのノックアウト個体の表現型を解析中である。 3)これまでに7系統のシロイヌナズナの水分屈性突然変異体を単離し、上述のとおりmiz1の変異原因遺伝子を同定した。本年度は同じく水分屈性を欠損したmiz2の変異原因遺伝子の同定に成功するとともに、miz3の変異原因遺伝子のマッピングを進めた。 4)上記突然変異体の解析結果から、水分屈性には小胞輸送が重要な役割を果たし、そのメカニズムは重力屈性と独立したものであることが示唆された。
|
Research Products
(20 results)