2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19040019
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三浦 郁夫 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 准教授 (10173973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 浩己 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20106800)
池野 正史 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 講師 (80298546)
長谷川 嘉則 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 特別研究員 (30387683)
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Keywords | 性決定 / 卵巣 / ツチガエル / 機能解析 |
Research Abstract |
オスとメスの性が遺伝的に決定される仕組みには、大きく分けてXX/XY型とZZ/ZW型の2つのタイプがある。本研究では、両者の相互変換が生じだツチガエルを用いて、性決定機能の進化の仕組みの解明を目的とする。本年度は、ツチガエルで見つかった卵巣決定候補遺伝子A2W3の機能解析のため、トランスジェネシスの確立と生殖腺の器宮培養による機能阻害の実験に取組んだ。 1)Meganuclease ISec-Iを用いたトランスジェネシス 非キデル動物ツチガエルにおけるトランスジェネシスの確立をめざし、GFP遺伝子をCMVプロモーターの下流に接続したコンストラクトを用いて、受精卵へmeganuclease I Sec-Iとの共導入法を試みた。その結果、導入胚の生存率は8.9%、そのうち、約半分でGFPの蛍光が観察できた。特に、蛍光が胚全俸に見られたのは5.7%で、最終的に遺伝子の導入を確認できためは、0.9%であった。次に、A2W3遺伝子をCMVしたに配置したコンストラクトを導入、0.1%の導入個体を得た。現在飼育中である。 2)生殖腺の器官培養による機能阻害 1受精後2週間の幼生から生殖腺を取り出し、30日間器官培養を行い、卵巣決定候補遺伝子A2W3がコードする新規タンパク質に対する抗体を作用させて、機能阻害を試みた。無血清培地では精巣は正常に分化するが、卵巣は初期の未分化段階で停止することがわかった。そこに、精製した抗A2W3抗体を作用させると、遺伝的雌の生殖腺は分化発生を進め、精巣様の構造を呈した。このことから、A2W3タンパクは精巣分化を阻害することで生殖腺の性分化を卵巣へと誘導していることが示唆された。 本年度の実験では、器官培養の結果からA2W3の卵巣決定機能が示唆された。しかし、トランスジェネシスの導入効率が低く、さらに、CMVのプロモーターでは成体の筋肉、賢臓、生殖腺、臭脳など発現が局部的であった。来年度は、EF1αのプロモータとトランスッポゾンTo12を用いたトランスジェネシスを行い、高い導入効率と発現誘導を目指し、A2W3の機能を明らかにする。
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