2007 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザウイルス・ゲノムアセンブリーの電子顕微鏡解析
Project/Area Number |
19041018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野田 岳志 The University of Tokyo, 医科学研究所, 特任助教 (00422410)
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Keywords | インフルエンザウイルス / ゲノム / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
A型インフルエンザウイルスは、8本に分節化したRNAをゲノムとして持つ。感染細胞から出芽する子孫ウイルス粒子が感染能を獲得するためには、8種類すべてめRNA分節をウイルス粒子内に取り込まなければならない。この分節化したRNAがどのようにウイルス粒子内に取り込まれるのかはほとんどわかっていなかったが、我々は電子顕微鏡を用いて、8本のRNP(ribonucleoprotein complex)が規則的な配置をとり、ウイルス粒子内に取り込まれることを明らかにした。本年度ほ、8本のRNPが規則的な配置に集合するために、8種類のRNA分節が必要かどうかを明らかにすることを目的とした。初めに、HA RNA分節を欠損させた7分節ウイルスと、HA蛋白質を発現しない変異HA RNA分節を持つ8分節ウイルスをリバースジェネティクス法により作製し、HA蛋白質発現細胞を用いて、それら変異ウイルスの性状を比較した。その結果、感染細胞における7分節ウイルスの増殖能は、8分節ウイルスより低かった。またウイルス粒子の出芽効率も、7分節ウイルスの方が低かった。しかしどちらのウイルスも、規則的な配置に集合した8本のRNPを取り込んでいた。以上の結果は、RNA分節の種類に関わらず8本のRNPが集合することがパッケージングに重要であること、しかし8種類のRNA分節が存在すると効率良く8本に集合し取り込まれることを示唆している。現在、PB2分節やNA分節を欠損させた変異7分節ウイルスを解析しており、各RNA分節欠損の増殖性やRNPの集合に対する重要性の違いを比較検討する予定である。
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Research Products
(4 results)