2007 Fiscal Year Annual Research Report
超新星の爆発機構とガンマ線バースト源エンジンの統一的解明
Project/Area Number |
19104006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 勝彦 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (00111914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 正章 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (20228422)
鈴木 英之 東京理科大学, 理工学部, 教授 (90211987)
山田 章一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80251403)
長滝 重博 京都大学, 基礎物理学研究所, 准教授 (60359643)
固武 慶 国立天文台, 理論研究部, 助教 (20435506)
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Keywords | 超新星 / カンマ線バースト / 重力崩壊 / ブラックホール / ニュートリノ / 重力波 / 元素合成 / QCD相転移 |
Research Abstract |
本研究課題逐行の為に欠かせない、以下の研究テーマについて、実施計画書で予定していた課題を以下の通り適切に遂行し、多数の研究成果を挙げることができた。以下、交付申請書に記載された研究テーマに従って研究成果を述べていく。 (1)大質量星の進化と、コアの重力崩壊 ガンマ線バースト天体の親星として有力である、大質量星の重力崩壊のダイナミクスを数値シミュレーションにより系統的に調べ、爆発を引き起すのに必要な親星の自転、磁場の組み合わせを定量的に明らかにすることが出来た(Suwa et al 07a,ApJ)。超新星研究での重力波の知見を活かし(Kotake et al.2007 ApJ)、ガンマ線バースト天体から放たれる背景重力波の観測可能性を初めて指摘した成果は、レターとして受理された(Suwa et al.07b,ApJL)。同時に、ニュートリノバーストから高密度物質の状態方程式の情報が得られる可能性についても指摘できた(Sumiyoshi et al.07 ApJ)。更に、コアのクォーク物質への相転移への可能性(Yasutake et al.07 PRD)、原子核パスタのニュートリノ透過率への影響(Sonoda et al.07 PRD)についても調べ、予定されていた通り、素粒子原子核物理との結びつきを意識した研究課題についても遂行できた。 (2)重力崩壊によるブラックホールと降着円盤の物理 研究計画書に従い完全に一般相対論的な数値コードを作成することで、ブラックホール降着円盤の性質について詳細に調べた。その結果、降着円盤内に非軸対称な不安定モードが存在することを発見し、更にそれが、ガンマ線バーストの時間変動を自然に説明できることを指摘できた(Nagakura&Yamada,ApJ 2008,2009)。 (3,4,5)ガンマ線バースト駆動初期のダイナミクスの解明と元素合成 以前の研究では簡略化されていた、ニュートリノ対消滅の効果を含んだコラプサーの数値シミュレーションを行い、ジェットの生成条件について詳しい解析を行なった(Nagataki et al.07)。上記の研究と平行して、コラプサー天体内における元素合成についても詳細な計算を行った。その結果、従来のr-過程に加え、p-過程の重元素合成が可能なことを世界に先駆けて指摘できた(Fujimoto et al. ApJ 2007)。さらにガンマ線バーストのより後期フェイズでの輻射過程おいても新たな知見を得た(Murase et al.ApJ 07,Aoki et al. MNRAS 08)。
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Research Products
(34 results)
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[Journal Article]2007
Author(s)
長滝重博
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Journal Title
シリーズ現代の天文字14シミュレーション天文学(富阪幸治、化輪知幸、牧野淳一郎(編))(日本評論社)
Pages: 257-268
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