2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19104009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 克哉 大阪大学, 極限量子科学研究センター, 教授 (70283736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 泰生 (財)高輝度光科学研究センター, 利用促進部門I, 主幹研究員 (20344400)
加賀山 朋子 大阪大学, 極限量子科学研究センター, 准教授 (40274675)
長柄 一誠 鳥取大学, 工学研究科, 特任教授 (10135676)
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Keywords | 圧力誘起超伝導 / 超高圧 / 元素 / 軽金属 / X線構造解析 / 第一原理計算 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「高温超伝導」の機構解明と「室温超伝導」の実現につながる物質設計の指針を得ることにあり、以下の6項目について今年度の成果を記載する。 1. 水素の超高密度圧縮実験 水素を超高圧下まで封止が可能な電気測定用のガスケットの開発し、約20万気圧の圧力保持に成功した。低温液化水素充填装置による水素封入も安定動作を確認した。 2. 軽金属元素の超伝導 リチウムに次ぐ軽元素金属であるベリリウムの超伝導の圧力効果について30万気圧まで測定した。常圧で約30ミリケルビンの極低温度の超伝導転移温度は加圧によって1ケルビンを超えることを明らかにした。 3. 磁性金属元素の超伝導探索 イッテリビウムについて電気抵抗測定を行い約30万気圧までの範囲においては超伝導転移または磁性転移は起こさないことがわかった。ユーロピウムの高圧下の超伝導性が試料・純度・圧力状態の依存性が大きいことがわかった。 4. 超高圧下のX線構造解析 水素リッチなペロブスカイト型化合物についてその高圧力下結晶構造をSPring-8の超高圧実験ステーションおいて測定した。詳細な構造決定には至っていないが僅かな構造変化を捉えそれが高圧下での電気伝導度変化に起因すると解析した。 5. 結晶構造と超伝導の理論予測 6. 圧力発生技術開発 ダイヤモンドアンビルの台座側のデザインを変更し到達圧力を向上した。またナノ多結晶ダイヤモンドを用いて大容量試料空間において30~50%の高圧力発生に成功した。
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