2008 Fiscal Year Annual Research Report
安定/準安定ナノ空間を制御した超耐熱・高速バルク反応場の創生と応用
Project/Area Number |
19106014
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松尾 伸也 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (90029299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小俣 孝久 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80267640)
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Keywords | 希土類酸化物 / セリア / ナノ空間 / 蛍石類似構造 / 準安定相 / 排ガス触媒 / メタン改質 |
Research Abstract |
本研究の目的は、安定・準安定状態をナノスケールで混合した酸素授受能力に優れたバルク内空間を活用して、超耐熱性を有し最終的には貴金属系触媒を必要としない高性能反応場を作製することである。今年度においては、種々の組成比率の希土類酸化物Pr_n,O_<2n-2>とCeO_2にZrO_2を加えた混合粉末に、さらに微量の不純物元素としてFe,Mn,Cuなどの遷移金属、Sn、およびPt,Pdなどの貴金属を添加して、1100〜1200℃の空気中で焼鈍し、水素ガス還元、その後に700℃と低温での酸化処理を行い、試料が呈するOSC(酸素吸収量)およびXRDとラマン分光により検出した相状態のプロセスに対応した変化について膨大なデータを取り整理してきた。その結果、Zr-Ce-Pr-O系における安定/準安定ナノ空間の生成の要因としてパイロクロア-likeの芽の生成および規則的酸素欠損のバルク内伝播が重要であることが明らかとなった。酸素欠損の起源はバルクの表面に含浸により付着した金属、金属酸化物に発していて、母相内部までその影響は伝播されている。この影響の状況は“妖精の煙突"と呼ばれる有名なトルコ国カッパドキアの奇石群に似ている。本実験の試料状況を“カッパドキア相状態"と名付けてその生成と機能に関する重要性を学会などで宣伝した。 添加する不純物の種類によりバルク内に導入される酸素欠損がランダム配置か規則配置かは決まる。そこにカッパドキア状態を導入するとバルク内部に向かって傾斜した安定/準安定状況が導入され、酸素の授受能力が大きな反応場が創生されることが分かった。この状況を利用して150℃と低温度での大きなOSCを有する試料、およびメタンの水蒸気改質作用を有する試料の作製に成功した.
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Research Products
(10 results)