2009 Fiscal Year Annual Research Report
アルペンスキーにおける膝前十字靱帯損傷発生メカニズムの解明およびその予防へ向けて
Project/Area Number |
19200046
|
Research Institution | International Budo University |
Principal Investigator |
石毛 勇介 International Budo University, 体育学部, 准教授 (30251317)
|
Keywords | 膝前十字靭帯 / アルペンスキー / バイオメカニクス / 慣性センサ |
Research Abstract |
本研究の目的は、アルペンスキーにおける膝前十字靭帯損傷(膝ACL損傷)発生のメカニズムについて、バイオメカニカルな観点から力学的考察を行い、そのメカニズムを明らかにするとともに、外傷予防の観点から、どういった方策が有効であるかという点について具体的な示唆を与えることであった。当初、受傷メカニズムとして、膝関節外反・外旋、ブーツによって誘発される大腿骨に対する脛骨の前方引去出し、膝関節屈曲内旋の3つのメカニズムを想定したが、本研究の結果、主な受傷機転は、膝関節の外反・外旋に引き続き、スキー板がカービング状態(板が走る状態)になることによって、膝関節が外庫・内旋状態とたりACL損傷が引き起こされるパターン、並びにスキーブーツに対して上半身が相対的に大きな身体後方への速度を持ちながら後傾することによって、脛骨が前方に引き出される前方引き出し力が大きくなることによって損傷が発生するパターンの大きく2つに分類されることが明らかとなった。前者に対しては、まずはスキー滑走中に(特にターン中)膝関節が外反・外旋するような状態を避けることか予防のために重要である。なぜならば、前者のパターンにおいては、必ず、その初期の段階で膝関節の外反・外旋を伴うからである。一方、後者のパターンに対しては、よ半身の運動量変化を小さくすることが予防において重要であるということが明らかとなったので、そうした動作(極力後傾しないようにする、後傾して膝関節角度90度近辺で大腿四頭筋を使って踏ん張ることをしない、後傾してしまったら膝関節角度90度近辺で踏ん張ることをせずそのまま後方に倒れる、もしくは上半身を思い切り前に倒すなど)を実践することが予防において効果的である。
|
Research Products
(2 results)