2008 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける家畜の伝播とその展開に関する動物考古学的研究
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19200058
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Research Institution | National Research Institute Cultural Properties, Nara |
Principal Investigator |
松井 章 National Research Institute Cultural Properties, Nara, 埋蔵文化財センター, 環境考古学研究室長 (20157225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 直隆 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (00109521)
南川 雅男 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科(研究院), 教授 (10250507)
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Keywords | 家畜 / 動物考古学 / DNA / 安定同位体 / 食性分析 / 比較形態学 / 骨肥料 / ブタ |
Research Abstract |
本年度行った研究実績は、以下のとおりである。 (1)4月、セネガル国ダカールで開催された国際会議、Shell Energy, Prehistoric Coastal Resources Strategiesで、日本の貝塚の特質とその研究成果について発表を行った。(2)6月、アイルランド共和国ダブリン大学で開催された世界考古学会議で、日本の湿地遺跡の研究成果について発表し、分科会の座長を務めた。(3)7月、アメリカ合衆国ワシントン州マッド・ベイ遺跡の発掘に参加。北米考古学との共同研究により、縄文文化と北西海岸先史文化との比較研究及び、東アジア世界の動植物利用の特質を明らかにするための比較研究を行った。(4)11月、台湾国立大学から招聘を受け、台湾における考古科学とくにイノシシのDNA分析の国際共同研究について打合せを行った。(5)3月にラオス山間部の少数民族カム族とタイルー族の民家に宿泊し、焼畑の視察、ブタ、ニワトリ、イヌの飼養と、イノシシ、セキショクヤケイ(鶏の原種で野生)の狩猟法の調査および、現生セキショクヤケイの骨格標本の作製を行った。(6)2009年4月、アメリカ、アトランタで開催されたアメリカ考古学会において、日本の大貝塚と小貝塚の生業活動の違いについての発表を行った。 このほか、国内において奈良県橿原遺跡、佐賀県東名遺跡などから出土した動物骨、鹿角に残る傷痕を観察、記録化に努め、傷痕を残す原因となった利器の判別を試み、報告原稿を提出した。あわせて橿原遺跡から出土した骨角器の再整理を行い、骨角器の製作技術を復元するなどの成果も挙げた。以上のように、日本のみならず、東アジア諸国、さらに東アジアとの比較のために、北米北西海岸先史文化における動物考古学的研究を遂行できたといえる。
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Research Products
(8 results)