2007 Fiscal Year Annual Research Report
地球環境変化のインディケータ北極・南極域と亜寒帯域のフィードバック
Project/Area Number |
19201001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
池田 元美 Hokkaido University, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (50261227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 豊 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 准教授 (90333640)
渡部 雅浩 東京大学, 気候システム研究センター, 准教授 (70344497)
杉本 敦子 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (50235892)
見延 庄士郎 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (70219707)
笹井 義一 (独)海洋研究開発機構, 地球環境フロンティア研究センター, 研究員 (40419130)
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Keywords | 地球温暖化 / 大気海洋相互作用 / 極域気候変動 / 海洋化学 / 安定同位体 |
Research Abstract |
4つの共同研究課題について概要を記す。 (1)大気海洋相互作用と雲分布の解析(池田、渡部、見延) 北極海通過流の変動を見積もるため、太平洋域の海面高度データを解析したところ、1960年代後半と1997年前後に海面が高くなり、それは北極海から大西洋に海氷と海水が流出した時期と一致していることを示せた。また20世紀再現実験や温暖化実験の結果を解析する計画を立て、北太平洋から極東アジアにかけた気候変動データ(降水量など)を用意し、北太平洋域の微細な大気海洋結合を調べるため、高解像度大気モデルを用いた感度実験結果を解析した。 (2)高解像度海洋モデルによる海洋現象解明(笹井、見延、池田) 渦追跡や水塊形成に焦点を当てたモデルとデータの解析を、北太平洋と南大洋を対象に試みることとし、まず南大洋のトレーサ実験を行った。表層水のもぐりこみを示すフロン分布を海氷海洋モデルの結果と比べると、氷縁域の表層水収束が明確に見えた。次は渦解像モデルによる南極中層水の形成を対象にする。 (3)北極海化学データの解析による物理・生物化学プロセス(渡辺、池田) 北極海化学データセットの解析を行い、太平洋と河川から入るケイ素は、2000m以深でも太平洋の方が高いことを見出した。酸素は大西洋の方が高く、pHは太平洋の方が高いことを確認できた。 (4)陸面と大気の相互作用(杉本、渡部、見延) 凍土融解、積雪分布変化、植生変化などの進む原因、およびそれらの大気への影響を調べるため、陸面データとも合わせ、水蒸気に注目して再解析データを見た。アムール流域の降水が雪解けを促し、夏には雨となって河川から北極海に流れ込む。南極では、氷床の涵養量より降水量が大きいことを確認した。 またレナ川流域で同位体データを集め、凍土融解による水循環の変化を見出した。水循環と炭素循環は生態系による影響を受け、夏に雨が多いと翌年の土壌水分が高くなるが、カラマツは生長を早め、蒸散が活発になって土壌から水を大気に出すことがわかった。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] A series of cyclonic eddies in the Antarctic Divergence off Adelie Coast.2007
Author(s)
Aoki, . S, D. Fukai, T. Hirawake, S. Ushio, S. R. Rintoul, H. Hasumoto, T. Ishimaru, H. Sasaki, T. Kagimoto, Y. Sasai, and H. Mitsudera
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Journal Title
J. Geophys. Res. 112
Pages: C05019
Peer Reviewed
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