2007 Fiscal Year Annual Research Report
カロリー制限が放射線による発癌を抑制する分子メカニズムの解析
Project/Area Number |
19201011
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野 哲也 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (00107509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 芳彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30223499)
法村 俊之 産業医科大学, 医学部, 教授 (20039530)
島田 義也 放射線医学総合研究所, 発達期被ばく影響研究グループ, グループリーダー (10201550)
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Keywords | 癌 / ゲノム / 発現制御 / 放射線 / マイクロアレイ / カロリー制限 |
Research Abstract |
放射線によって誘発される癌が、被曝後カロリー制限をすることによって大きく抑制されることの分子メカニズムを探るための実験を始めた。Mutaマウス及びC57BL/6JマウスをSPF化した後放射線照射し続いてカロリー制限をするものとしないものに分け長期飼育を始めた。SPF化は妊娠マウスの帝王切開によって行ったが、なかなか充分な数が確保できず手間取ったため、予定より少し遅れた。他方、検出方法についていくつかの準備を進めた。マイクロアレイ解析については非照射雄マウスの肝臓について調べた所、メタロチオネインなど少数のmRNAについてかなりの個体差がみられるが他のほとんどのmRNAでは個体差は小さいことが分かった。マイクロアレイ解析で得られるmRNA量についてRT-PCR法を用いて求められたmRNA量と比較した結果では、マイクロアレイ法の値がほぼ信頼のおけるものであることを確かめた。また染色体異常頻度も脾臓を使えば検出できることを確かめた。lacZの突然変異頻度については組織からDNAを抽出する際の手法について改善を加えより少ない時間でアッセイできるようにした。また解析する組織の幅を広げる目的で精子からのDNA抽出法を検討し、lacZ上の突然変異頻度を測定できるようにした。結果は2ケ月令のマウスで(5.4±1.0)×10^<-5>であり、他の体細胞組織より少し低めの値が得られた。 今後、照射後カロリー制限を続けたマウスが平成20年度に出てくる予定なので、準備を整えた方法を用い分子レベルでの解析を行う予定である。
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