2008 Fiscal Year Annual Research Report
カロリー制限が放射線による発癌を抑制する分子メカニズムの解析
Project/Area Number |
19201011
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野 哲也 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (00107509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
法村 俊之 産業医科大学, 医学部, 教授 (20039530)
島田 義也 放射線医学総合研究所, 発達期被ばく影響研究グループ, グループリーダー (10201550)
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Keywords | 癌 / ゲノム / 発現制御 / 放射線 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
2ヶ月令で照射した後10ヶ月間カロリー制限を行ったマウスについて解析を行った結果、体重増加の抑制や発癌の抑制については予測通りの結果が得られつつある。他方、脾臓での染色体異常頻度、突然変異頻度、アポトーシス頻度については今のところ大きな変化はみられていない。また肝臓についても突然変異頻度には大きな差は見出されなかった。今後さらにサンプル数を増やして明確な結果を得たい。mRNAの変化については肝臓について解析したがマイクロアレイ解析(Affimetrixのmouse genome430 2.0を使用)では照射したマウスで約20種類のmRNAに1.5倍以上の変化がみられ、それらをRT-PCRによって確認したところ、今までの結果では少なくとも3種については差が見られた。それらの変化に対してカロリー制限の影響を調べてみると放射線照射の影響を打ち消すように働く場合とそれを加速するように働く場合がみられた。これらの結果からは、放射線照射の効果がカロリー制限によって修飾を受けるのはジェネティックな変化ではなく、エピジェネティックな変異であるように考えられるが、まだデータは不充分であり、さらに積み重ねて確かめる必要がある。
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