2008 Fiscal Year Annual Research Report
高酸素水生成装置を用いる汽水湖貧酸素水塊の水質改善及び湖底の底質改善
Project/Area Number |
19201016
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
清家 泰 Shimane University, 総合理工学部, 准教授 (30243421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 稔 島根大学, 総合理工学部, 教授 (30032650)
三田村 緒佐武 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (50030458)
千賀 有希子 立正大学, 地球環境科学部, 助教 (30434210)
矢島 啓 鳥取大学, 工学部, 准教授 (10283970)
井上 徹教 港湾空港技術研究所, 海洋水工部, 主席研究官 (70311850)
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Keywords | 浚渫窪地 / 貧酸素水塊 / 硫化水素 / メタン / 高酸素水導入装置 / 水質改善 / 底質改善 / 酸化還元 |
Research Abstract |
本研究の目的は、硫化水素やメタンの発生が著しい浚渫窪地内の水質及び底質の改善策を構築することにあり、そのツールとして気液溶解装置(松江土建(株)と(独)土木研究所の共同開発)を用い調査研究を進めている。2008年度は、上記装置2機を約14mの深度(湖底上1m)に設置し5月16日から10月20まで稼動させ高酸素水を導入した。その実験区(高酸素水導入水域)と対照区(高酸素水導入の影響が及びにくい水域)について、追跡調査を行い検討した。結果の概要は次の通り。 1.上記装置によるDO上昇後にも、潮流の影響により一時的に湖底付近のDOが消失する現象が時折観られたが、すぐに回復し、長期的には10mgO_2/L以上を保持した。 2.DO増加による波及効果として、第一に硫化水素発生に対する抑制効果が認められた。対照区では高濃度の硫化水素(2〜16mgS/L)が観測されたのに対し、実験区では全く検出されなかった。 3.第二にリン酸態リンの抑制効果が挙げられ、実験区のリン濃度は対照区の1/2〜1/3程度まで減少した。 4.第三に窒素の除去プロセスとして重要な硝化・脱窒の活性化が挙げられ、実験区の湖底堆積物では、非常に高い脱窒活性が表層から3cm程度まで認められた。冬期における自然任せのDO回復による影響(堆積物のごく表層(数mm)のまでと云われている)を考えると本装置による効果は驚異的と云える。 5,その他、望ましい生態系への変遷例として、一部、ベントスの復活も認められた。対照区ではベントスが皆無であったのに対し、実験区ではその生息が確認された。
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Research Products
(14 results)