2007 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒時間分解紫外磁気円二色性光電子顕微鏡の開発
Project/Area Number |
19201023
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
横山 利彦 Institute for Molecular Science, 物質分子科学研究領域, 教授 (20200917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 剛志 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 助教 (80353431)
松本 吉泰 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70181790)
渡邊 一也 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30300718)
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Keywords | 磁気記録 / 表面・界面物性 / 量子ドット / 磁気円二色性 / 光電子顕微鏡 / 超高速分光 / 薄膜・表面磁性 |
Research Abstract |
本研究は、我々が独自に開発した波長可変紫外磁気円二色性光電子顕微鏡法をさらに開発した上で、ポンプ-プローブ法に基づくフェムト秒時間分解測定を可能にすることを目的としている。実現すれば、現在の放射光X線磁気円二色性光電子顕微鏡法と比べて、実験室で観測できる上に、時間分解能が3桁以上上回るという特徴を有する。 今年度は初年度であり、高出力波長可変Ti:sapphireレーザー(SpectraPhysics社製MaiTaiHP、2.5w,690-1020nm,80MHz,100fs)を本科研費予算で導入し、別途3倍波発生器、4倍波発生器を購入した。これらは納期の関係で本年度の実験には利用できなかったが、性能評価までを終了した。 今年度は研究室現有のTi:sapphireレーザー(800nm,1W,80MHz,100fs)の2倍波をはじめ、405nm半導体レーザー(CW),HeCdレーザー(325nm,CW)など用いて予備的な実験を行った。光エネルギー最適化ではなくCsを吸着させて仕事関数を制御したNi/Cu(001)(Ni 12ML,垂直磁化)を試料として、まず静的なUV MCD PEEM観測を試みた。2秒ほどの積算で十分美しい磁気顕微像が得られ、リアルタイムでも何とか観測できるほどの感度が確認できた。感度的にも放射光XMCD PEEMを優に上回ると考えられる。時間分解測定も試み、ポンププローブ法による100-200fs程度の時間分解観測に試験的ながら成功した。また二光子磁気円二色性観測にも成功した。 初年度としては十分な進捗状況であり、来年度中に当初目的が達成できるかもしれない。
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