2009 Fiscal Year Annual Research Report
精子幹細胞の遺伝子改変によるノックアウト動物の作成
Project/Area Number |
19201040
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
篠原 隆司 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (30322770)
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Keywords | 幹細胞 / 精子形成 / 自己複製 / 移植 |
Research Abstract |
本研究の目的はマウス以外の動物を用いて遺伝子ノックアウト動物を作製することである。我々はこれまでにglial cell line-derived neurotrophic factor (GDNF), basic fibroblast growth factor (bFGF)を用いることで、マウス、ラット、ハムスターなどの実験動物由来の精子幹細胞を試験管内で増殖誘導することに成功したが、その問題点はこれらの細胞の増殖が非常に遅いことである。マウスの精巣内にこれらの細胞を移植するとほぼ同等のスピードで増殖することから、GDNF, bFGF以外にも未だ未知の時刻複製因子が存在することが予想される。しかしながら、これらの外来性のサイトカインがなくても自己複製が誘導できる条件を見つけることができれば、容易に多種類の精子幹細胞の増殖を行うことができると期待される。本年度の研究で我々は培養されたマウス精子幹細胞に活性化型H-Rasを導入し、精子幹細胞の自己複製分裂を外来のサイトカインがない状態で試験管内で誘導することに成功した。RasV12遺伝子を導入された細胞は精原細胞の分化マーカーを保持し、精子型のゲノムインプリンティングを保持したまま4ケ月の間増殖し、正常な精原細胞の表現型を示す。H-RasV12を導入された精子幹細胞を精巣内に移植すると、セミナーマとともに、完全な精子形成を完成するすることができた。現在我々はこのH-RasV12の遺伝子導入を行い、ウサギおよびブタ精子幹細胞の培養を行っている。
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