2008 Fiscal Year Annual Research Report
現代アメリカ・ナショナリズムの複合的編制をめぐる学際的研究
Project/Area Number |
19201049
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古矢 旬 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90091488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 文明 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (00126046)
大津留 智恵子 関西大学, 法学部, 教授 (20194219)
西崎 文子 成蹊大学, 法学部, 教授 (60237691)
林 忠行 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (90156448)
酒井 啓子 東京外国語大学, 大学院・地域文化研究科, 教授 (40401442)
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Keywords | ナショナリズム / 帝国 / 宗教 / 憲法 / 国際比較 / テロリズム / 原理主義 / 人権 |
Research Abstract |
本年度は、基本的に前年度に引き続き、各班ごとの個別研究の深化を図り、同時に各分担者の関心に沿ってアーカイヴス、ライブラリーの構築を進めた。より具体的に展開を見た研究としては、アメリカ・ナショナリズム研究については、エスニック・マイノリティや若年層における近年の政治意識や自己アイデンティティの変容に関する実証的な調査、国家やナショナリズムの枠内に発しながらその枠を越えて活動を展開してきた(例えばキリスト教宣教師のような)トランスナショナルな活動主体の研究があげられる。またアメリカの「表象研究」としては、ヨーロッパ、ラテン・アメリカから見たアメリカの「自決」論の意義と限界の究明、冷戦期アメリカの核戦略のイメージとインパクトをめぐる研究、第二次世界大戦後の「占領期」における日米宗教観の違いがもたらす影響理解が進捗をみた。いずれの領域においても、アメリカ・ナショナリズムにおける宗教的要因の重要性が明らかにされつつある。来年度以降の研究展開の一つの柱は疑いなく「宗教」になる。 年度当初に予定していた、ワークショップに代わり年度末にアメリカ・ナショナリズムをその自由観の変容に即して跡づけるための国際シンポジウムを開催した。研究分担者にくわえて、合衆国からコロンビア大学教授エリック・フォーナー氏を招き、公開とすることによって内外多くの研究者の参加と議論を得ることができた。 本年度も引き続き各分担者毎に、また各研究班ごとにアーカイブス、ライブラリーの構築を進めた。 以上のような定常的な研究課題にくわえて、本年度はアメリカ大統領選挙による「アメリカ・ナショナリズム」「アメリカのイメージ」のいちじるしい変容という現象が起こった。本研究に属する数名の分担者も、その変容の実態と意意とを探るために現地調査を展開した。それらが示すように、本研究の研究課題は、アメリカ内外の社会変動に日々流動させられていることが理解された。
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Research Products
(53 results)