2009 Fiscal Year Annual Research Report
現代アメリカ・ナショナリズムの複合的編制をめぐる学際的研究
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19201049
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古矢 旬 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90091488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津留 智恵子 関西大学, 法学部, 教授 (20194219)
久保 文明 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (00126046)
酒井 啓子 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院・先端研究部門, 教授 (40401442)
常本 照樹 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10163859)
中山 俊宏 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (60439560)
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Keywords | ナショナリズム / 帝国 / 宗教 / 憲法 / 国際比較 / テロリズム / 原理主義 / 反米主義 |
Research Abstract |
本科研の第三年度目は、オバマ政権の登場というアメリカ史上まれに見る政治変革と時を同じくすることとなった。オバマ政権の登場は、アメリカの政治経済外交をめぐる諸施策の短期的変化以上に、アメリカの市民社会における人種・エスニック関係、世代間関係を含む国民意識の中長期的な変動とも大きく関わっている。こうしたアメリカ政治社会の大きな変貌に直面して、本科研では、2009年10月3日東京大学駒場キャンパスにおいてシンポジウム「オバマと世界-何が変わったのか?」を開催した。このシンポジウムの目的は、オバマの登場とともに世界との関わりにおけるアメリカの現実政策上の関わりと国家イメージ、あるいは現時点におけるアメリカの「国のかたち」がどのように、変わりつつあるのかを、外からアメリカを見ることによって明らかにしようとするところにあった。パネリストには、通常のアメリカ研究シンポジウムでは例のない、イスラーム、中国、アフリカ、中南米の地域研究専門家たちによる対米認識が語られ、それと対応する形で本科研からは研究分担者であるアメリカ外交史の西崎文子教授(成蹊大学)の報告がなされた。まさにオバマの登場によるアメリカ・ナショナリズムの変容を、現実の政治外交のプリズムをとおして明らかにする試みであったといえよう。 2010年1月には、一転して歴史を遡り、アメリカ思想史の泰斗Dorothy Rossジョンズ・ホプキンス名誉教授による研究会"Lincoln's American Exceptionalism and the Dilemma of Slavery"を催し、ついでアメリカ・ナショナリズムの宗教的次元の解明のために、藤本龍児氏(同志社大学)による「アメリカの公共宗教」をめぐる研究会を催した。同研究会における分担者島薗進の発言が示唆するように、本科研の主題を宗教的観点からさらに掘り下げる必要があることが明らかになった。
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Research Products
(44 results)