2007 Fiscal Year Annual Research Report
脱植民地化の双方向的歴史過程における「植民地責任」の研究
Project/Area Number |
19202023
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
永原 陽子 Tokyo University of Foreign Studies, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90172551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟谷 利江 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00201905)
津田 みわ 日本貿易振興機構, アジア経済研究所, 研究員 (70450468)
浜 忠雄 北海学園大学, 人文学部, 教授 (70091535)
平野 千果子 武蔵大学, 人文学部, 教授 (00319419)
前川 一郎 創価大学, 文学部, 准教授 (10401431)
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Keywords | 植民地責任 / 脱植民地化 / 奴隷貿易 / 人道に対する罪 / 戦争責任 |
Research Abstract |
本研究初年度の2007年度は、研究会をつうじて「植民地責任」をめぐる分担者の共通認識を形成するとともに、基礎的な資料を収集し、また海外調査を進めることを主とした。 年間4回にわたった研究会でのうち、第1回(4月21日、報告者)では、東アジア史の分野で「植民地支配概念」の定立を提唱している板垣竜太が、日本とヨーロッパの植民地主義と戦争との関係を比較しながら「植民地責任」論の理論的諸局面と比較の枠組みについて報告を行い、本研究が扱う領域・射程についての共通認識を得た。第2回(7月7日)には、秋田茂氏を招いて本研究に先行する科研(「植民地責任」論からみる脱植民地化の比較歴史学的研究)報告書の合評の形で研究会をもち、「植民地責任」論をグローバル・ヒストリーの観点からとらえる視座などが提示された。この2回の研究会で本研究の全体的な枠組みを確認した上で、第3回(10月6日)、第4回(12月22日)には、個別事例として、ビルマ=英国=日本関係(報告者:根本敬)、アメリカ合衆国=プエルトリコ関係(報告者:阿部小涼)、イタリア=エチオピア関係(報告者:石田憲、真城百華)を扱い、とくに戦争責任論と植民地責任論の異同、後者がどのような条件下で明示的な議論として出現するかについての認識を深めることができた。 このほか、チェコ/ポーランド(担当:前川一郎)、モザンビーク(担当:網中昭代)、ドイツ(担当:浅田進史)、エチオピア(担当:真城百華)で現地調査を行い、戦争・占領と解放の記憶の表象、脱植民地化過程の諸側面にかんする文書史料およびオーラル史料の収集を進めるとともに、研究約100点を購入し、本研究遂行に必要な基礎資料の重要な部分をそろえることができた。
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Research Products
(33 results)