2010 Fiscal Year Annual Research Report
1960年代の米国における文化変容とその越境に関する総合的研究
Project/Area Number |
19202024
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
油井 大三郎 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (50062021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤永 康政 山口大学, 人文学部, 准教授 (20314784)
梅崎 透 フェリス女学院大学, 文学部, 准教授 (30401219)
内田 綾子 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (20283468)
藤本 博 南山大学, 外国語学部, 教授 (70165421)
小塩 和人 上智大学, 外国語学部, 教授 (80257063)
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Keywords | 1960年代 / 文化変容 / 文化越境 / 多文化主義 / ポストモダン |
Research Abstract |
最終年度となった本年度の中心的課題は12月11日に上智大学で開催した国際シンポジウム「1960年代の脱神話化-国境と社会集団の差異を超えて-」の開催であった。このシンポジウムの第一部では国際比較に焦点をあて、David Farber氏が「民主的文化」という価値観が各国の社会運動に与えた影響を、Joachim Scharloth氏が西欧の学生運動が東欧の「プラハの春」に与えた影響を、油井大三郎(研究代表者)が日米比較の中で「ニューレフト」概念の相対化を行った。次いで第二部では、米国の社会運動間の越境に焦点をあて、Kevin Gaines氏がアフリカ系の急進派指導者とアフリカとの関連を、梅崎透氏が米国知識人における「第三世界」連帯意識の形成過程を、藤本博氏がヴェトナム帰還兵の国際的な反戦運動の実態を、Beth Bailey氏が女性解放運動による女性の定義の変容について報告した。以上の諸報告と討論を通じて1960年代の社会運動が従来の解釈以上に国際的連携のもとで進行していた点の解明ができた。 第二に、この国際シンポジウムでの報告も含めて、本研究プロジェクトに参加した研究者の個別研究の成果を単行本として来春までに刊行すべく、9月に合宿を行って執筆プランを調整した。この刊行は、日本の1960年代研究を国際的文脈に置き直す意味で大きな意味をもつと期待している。第三に、4年間で収集した米国の社会運動関係の1次史料(マイクロフィルム)の解説集を、西欧における史料状況の紹介も含めて刊行した。これは今後の実証研究の促進剤となると確信している。
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Research Products
(20 results)