2008 Fiscal Year Annual Research Report
湾岸産油国を中心とした中東における予防外交の可能性に関する研究
Project/Area Number |
19203009
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中村 覚 Kobe University, 国際文化学研究科, 准教授 (60359867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末近 浩太 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (70434701)
森 伸生 拓殖大学, イスラーム研究所, 教授 (20349202)
細井 長 國學院大学, 経済学部, 准教授 (40445466)
澤江 史子 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (70436666)
栗栖 薫子 大阪大学, 公共政策研究科, 准教授 (00294968)
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Keywords | 予防外交 / 中東 / 地域機構 / 紛争 / テロ対策 / 湾岸 / 治安部門改革 / 紛争予防 |
Research Abstract |
今年度も昨年からの検討事項に関して研究を続けた。第一に、主に理論班から、中東の複雑な現状に即した予防外交のガヴァナンスのタイプについて、予防外交に関する理論的見解(価値、規範、レジームの形態)が提出された。 第二に、中東における紛争の原困に関する先行研究について検討され、原因論のもつ有効性と問題に関して指摘された。さらに地域機構の可能性や、紛争に関わる非国家主体、テロ対策などについて検討された。第三に、中東において予防外交の枠組みを長期的に構築する可能性があるアクターとパワーについて検討された。主な候補として、NATO、EU、アラブ連盟などの地域機構、米国、イスラーム諸国機構などを検討対象とした。 H20年度は、理論研究班、中東班、大国・地域機構担当班の各班のメンバーは、欧米や中東各地での現地調査として、計11件の出張にのべ計17名のメンバーが足を運んだ。中でも3班合同の現地調査として(2007年10〜11月)には7名が、イスラエル/パレスティナを視察した。いわゆる「分離壁」やパレスティナ自治区の管理地区A〜Cに足を運び、現地NGOの活動についてブリーフを受けたり、和平交渉のアドバイザーの見解などを聞き取りした。 研究会活動としては、第一回合同合宿(8月於東北大)と第二回合同合宿(9月於上智大)において、メンバー全員が最終報告書の構想案に関して報告を行った。また第三回研究会(3月於上智大)では、先行研究に関しての討議を行うと共に、最終報告書の構成に関して討議した。第四回研究会は、ドバイの中東・湾岸に関する軍事問題シンクタンクINEGMAのTheodore Karasik博士を招聘して、“Security in the Middle East"と“Security in the Gulf"という二回の報告を受ける予定であったが、業務多忙につき来日がキャンセルされたため、研究代表者がドバイを訪問し、インタビューの聞き取りや討論を行った。その内容は、メンバーが録音を聞けるよう手配済である。またH21年度にドバイで国際ワークショップを実施するための準備を進めた。
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Research Products
(26 results)