Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 一頼 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50142831)
淺田 孝幸 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10143132)
高尾 裕二 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (60121886)
関口 倫紀 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (20373110)
椎葉 淳 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (60330164)
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Research Abstract |
20年度は,19年度に共有したグローバルニッチ戦略の基本イメージをもとに,内生的および外生的要因に分けて研究を実施してきた。内生的要因については,技術/商品,組織構造,および意思決定プロセスの観点から,そして外生的要因については,産業特性,市場特性,および地域特性の観点から研究を進めた。前者の研究成果としては,ニッチ戦略においてはテクノロジードリブン(技術優先)よりもマーケットドリブン(市場優先)であることが定石,ということが確認された。さらに組織構造については,複数のニッチ市場に進出していく場合には,事業部制組織が望ましく,また意思決定プロセスについては,ミドル・アップ・ダウン型が望ましいことが確認された。次に,外生的要因に関する研究であるが,産業特性としては,コモディティ化が進んでいる素材等の産業においては,グローバルニッチ戦略が選択されにくいことが確認された。しかしながら,カネカや日東電工等のように,素材産業においてこの戦略が成功した場合,非常に効果が高いことが確認された。というのも,コモディティ市場はそもそもグローバルであり,この分野でニッチ分野を開拓できれば,すぐさまグローバルに展開できるからである。市場特性については,現在,さまざまな角度から検討を加えている段階である。「戦略の成功確率」と「事業の成長性」の観点から調べると,前者については,ヘテロな市場が,後者についてはホモな市場が優位であることの直観を得ている。最後に地域特性であるが,調査の結果,ヨーロッパ(とりわけイタリア)においては,グローバルニッチ戦略を生来的に実践している企業が多く,他方アメリカは,ニッチ戦略よりもコモディティ化とグローバル化を実践している企業が多いこと,ということの直観を得ている。
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