2010 Fiscal Year Annual Research Report
公共圏の創成と規範理論の探究-現代的社会問題の実証的研究を通して
Project/Area Number |
19203027
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
舩橋 晴俊 法政大学, 社会学部, 教授 (20111445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
壽福 眞美 法政大学, 社会学部, 教授 (60105848)
平塚 眞樹 法政大学, 社会学部, 教授 (10224289)
石坂 悦男 法政大学, 社会学部, 教授 (10007817)
土橋 臣吾 法政大学, 社会学部, 准教授 (50350236)
三井 さよ 法政大学, 社会学部, 准教授 (00386327)
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Keywords | 公共圏 / 規範理論 / グローバリゼーション / 熟議民主主義 / ユビキタス社会 / 環境問題 / メディア / ケア |
Research Abstract |
本プロジェクトは、環境問題、移民・マイノリティ問題、若者問題、メディア公共圏、ユビキタス社会ケアといった具体的な社会問題領域についての実証的研究を七つの班で分担し、それを通して得られる実証的知見に根ざして、公共圏論と規範理論についての理論的研究を発展させることを企図している。このような構想のもとに、本プロジェクトの最終年度にあたる2010年度は、各班ごとの研究成果を取りまとめるとともに、異なる分野の知見の総合化を図るように努めた。その結果の主要な研究成果として、若者問題班による単行本1点、ユビキタス班、メディア班、ケア班による論文集3点、研究代表者による理論的単著1点などをとりまとめた。同時に、知見の総合化のために、2010年5月に「公共圏の創成と規範理論の探究」を主題とした国際シンポジウムを、Claus Offe氏(ドイツ、フンボルト大学名誉教授)および具度完氏(韓国、環境社会研究所)ならびに、国内ゲストの参加を得て開催した。四年間の研究を通して、現代社会にさまざまな解決困難な諸課題が提起されていること、問題解決の立ち後れの背景として政府や議会の制御能力の不足が見られること、公共圏の強化による制御能力の強化が必要なところ公共圏を担う主体形には問題領域ごとにばらつきが大きいこと、問題解決のために有効な規範原則の探究が更に要請されていること、などが明らかになった。同時に、現代の社会問題の解明や政策的課題の解決に対して、「公共圏の創成と規範理論の探究」という本プロジェクトの視角が必要かつ適切であることも明確になった。今後は、各班の論文集を土台にした単行本、ならびに、基礎理論の水準での知見のとりまとめ、および、各分野の実証的研究を理論的に総括することを課題とする単行本の刊行に取り組む。
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Research Products
(50 results)