2007 Fiscal Year Annual Research Report
すばる望遠鏡用コロナグラフィック究極補償光学系の開発
Project/Area Number |
19204019
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
GUYON Olivier National Astronomical Observatory of Japan, ハワイ観測所, RCUH職員 (90399288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見 英樹 国立天文台, ハワイ観測所, 教授 (00270455)
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Keywords | 補償光学系 / コロナグラフ / 太陽系外惑星 |
Research Abstract |
この研究はすばる望遠鏡で太陽系外の惑星を検出するための新技術に基く装置開発である。明るい恒星の周りにある暗い惑星を検出するためには、恒星の光の外側への影響を低減する技術が必要で、そのために中心に光を集中させる究極補償光学系と外側の光を効率よく低減するPIAAコロナグラフの開発を行ってきた。今年度の研究内容は、すばる究極補償光学系システムのすべての光学部品について製作、試験を完了した。具体的には以下の開発、試験をおこなった。 1)2組のアポダイズドPIAAレンズシステムを製作し、試験を行なった。 望遠鏡の開口の光分布を光を失うことなしにガウス型に変換する新規開発の光学系がPIAAコロナグラフである。このガウス型の光分布によって、極めて効率よく外側に光を低減させることができるようになった。 2)望遠鏡のスパイダーの陰を除去するための光学系(SRP)を製作した。 スパイダーがあると、それによって光が回折されて、星の光が外側に広がってしまう。そのために、スパイダーを巧妙に隠して、回折の影響をなくする光学系を製作した。 3)1024素子のMEMS可変形鏡とその駆動装置を購入した。 可変形鏡は光の波面の誤差を補正して星の光を中心に集中させるもので、1024素子という極めて多素子のMEMS型可変形鏡を本研究では使用している。これによって、極めて高い精度の波面補正が可能となる。 4)アポダイザーと焦点面マスクを設計し、製作を完了した。これには新たに開発した技術が用いられており、これはすばる用コロナグラフテスト装置に組み込んで試験をおこない、極めて良好な性能を有することを確かめた。
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