2009 Fiscal Year Annual Research Report
スペース赤外線コロナグラフの開発: 系外惑星の直接観測を目指して
Project/Area Number |
19204021
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
中川 貴雄 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 教授 (20202210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 圭吾 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教 (40392815)
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Keywords | 系外惑星 / コロナグラフ / 赤外線 / 波面補償 / SPICA |
Research Abstract |
系外惑星の直接観測を最終目標として、そのための必須技術として赤外線コロナグラフの開発に取り組んでいる。平成21年度は、主に以下の3点の開発に取り組んだ。 1.デフォーマブルミラーシステムによる波面補償制御実証 コロナグラフが所定の性能を発揮するためには、望遠鏡を含む全観測系の波面誤差が、観測波長よりも十分に(<<λ/10)小さくなっていること必要である。しかしながら、望遠鏡単体での波面誤差軽減には限界がある。そこで、本研究では、コロナグラフ内に波面補償光学系を導入することを検討している。具体的には、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いたデフォーマブルミラーを導入し、それを既存のコロナグラフと組み合わせ、波面補償実験を行った。その結果、実際にスペックルノイズを軽減し、コントラストを向上させることに成功した。特筆すべきは、この際に、専用の波面センサーを導入する必要はなく、観測センサーの信号のみにより、現実的なiteration回数により、スペックルノイズの軽減に成功していることである。 2.高安定光学テスト・ベンチの実証 精度の高いコロナグラフ実験のためには、実験系自身が優れた安定度を持っている必要がある。そこで、すでに保有している光学テスト・ベンチに改良を加え、高い温度安定性をもたせることができた。その結果、時間をおいて取得した複数のコロナグラフ・イメージ・データの差分をとることにより、単体試験よりもより優れた(一桁以上の向上)コントラストを実現することができた。 3.コロナグラフシステムの性能評価 上記のシステムを、実際のコロナグラフと組み合わせ、コロナグラフ全体として、どのような性能を持つかの見積もりを行った。さらに、実験的な評価に着手した。
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Research Products
(7 results)