2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19204024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下浦 享 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10170995)
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Keywords | 不安定核ビーム / 中性子多体系 / 荷電交換反応 / 磁気分析器 / 中性子ドリップライン / 荷電粒子飛跡検出器 |
Research Abstract |
本研究は、不安定核ビーム(RIビーム)の中間エネルギー直接反応を用いて、3および4中性子系および超重水素同位体6,7H等の中性子ドリップラインを超えた軽い原子核を生成し、そこに発現する中性子相関を調べることにより、中性子多体系のダイナミックスの解明を目指すことを目的とする。具体的には、主に核子あたり100-200MeVの二重荷電交換反応の測定を行う。本年度は、加速器を用いた実験の準備として以下の研究を行い、実験プロポーザルが採択された。 (1)SHARAQスペクトロメータの焦点面で用いる荷電粒子測定装置の開発 本研究の二次核反応測定では、2つのα粒子を、高分解能磁気分析装置SHARAQで測定する。昨年度までに製作した荷電粒子飛跡検出器2台の基本性能の評価を進めた。一粒子に対するSHARAQの検出効率に基づいて8Be→2α過程からの2つのα粒子の軌道解析および検出効率を入射エネルギーおよびSHARAQの動作モードに対して導出し、2α検出のための設定条件および検出器の改良点を明らかにした。特にトリガー条件に関して詳細に検討し、プログラマブルな条件が設定可能なFPGAによるシステムを構築した。 (2)ビームライン検出器の開発 昨年度までに実験で用いる8Heビームの飛跡を高精度で測定するための検出器を製作し、核子あたり250-350MeVのt,3He,6He,6Li等の粒子に対して検出効率90%以上、位置分解能250ミクロン以下(半値全幅)を達成したが、今年度はさらに高計数率下における性能を評価し、2MHz程度の計数率で500ミクロン以下の分解能が得られた。これらは本研究のために十分な性能である。 (3)二重荷電交換反応のモデル計算 二重荷電交換反応に関するモデル計算のための計算コードを整備するとともに、殻模型計算に基づく微視的遷移密度を計算し、反応断面積の理論計算をすすめた。 (4)RIBF施設における実験プロポーザル (1)-(3)の成果に基づき、RIBF施設SHARAQスペクトロメータを用いた実験計画を策定し、国際PACに課題申請を行った結果、ランクAで採択された。実験準備は完了し、ビームタイムの配分を待っているところである。
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Research Products
(4 results)