2007 Fiscal Year Annual Research Report
気液界面を通してのスカラ輸送に及ぼす雨滴とウインドシアーの相乗効果
Project/Area Number |
19206023
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小森 悟 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (60127082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒瀬 良一 京都大学, 工学研究科, 准教授 (70371622)
伊藤 靖仁 京都大学, 工学研究科, 助教 (40346078)
鈴木 直弥 京都大学, 工学研究科, 研究員 (40422985)
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Keywords | 環境流体力学 / 乱流 / 混相流 / 数値流体力学 |
Research Abstract |
地球温暖化予測の精度を向上させるうえで,気液界面を通しての物質移動機構を解明することは非常に重要である.本研究では,降雨のみが単独で存在する場合と,降雨と風が共存する場合の2つの場合に対して,熱および物質の輸送に関する室内実験を行うことにより,降雨が気液界面下の乱流構造および気液界面を通してのスカラ輸送に及ぼす影響と,降雨とウインドシアーの相乗効果により気液両相の乱流構造とスカラ輸送機構がどのように変化するかを明らかにすることを目的としている. 今年度はまず,単一液滴の衝突実験を行うことにより,液滴の気液界面衝突時における気液間物質移動機構の検討を行った.単一液滴衝突装置は,注射針を一本取り付けたヘッドタンクおよびその下方に設置されたレシーバタンクから構成される.液側流動場の測定にPIVを,溶解したCO2濃度の可視化にLIFを用いた.本研究の結果,液滴の衝突を伴う気液界面を通しての物質移動は液滴の衝突によってつくられる表面更新渦によって促進されること,また,その発生周波数は液滴の運動量で一意に決定されることがわかった.このことは,表面更新渦の概念に従えば,降雨を伴う気液界面を通しての物質移動係数と降雨の運動量フラックスの間に強い相関関係が存在することを示している. また,次年度に行う降雨とウィンドシアーの相乗効果の評価実験のために,降雨発生装置を作成し,風波乱流水槽上部に設置した.降雨発生装置のヘッドタンク底に多数の注射針を取り付けることにより,気液界面上に多数の液滴を落下させることを可能とした.ウィンドシアーと降雨の共存下での実験条件の選定のための予備実験行った結果,降雨により風波気液界面近傍における液流の流速および乱れは大きくなることが明らかになった.また,この影響は低風速時には顕著であるが高風速時には非常に小さいことを明らかにした.
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Research Products
(2 results)