2009 Fiscal Year Annual Research Report
生態的特性を基礎とした浅海資源の管理・増殖手法の確立
Project/Area Number |
19208018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邊 良朗 The University of Tokyo, 海洋研究所, 教授 (90280958)
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Keywords | 浅海資源 / 繁殖生態 / 初期生態 / 新規加入量 / 管理・増殖 |
Research Abstract |
マイワシ当歳魚群のうち、親潮域へ回遊した北上群と黒潮域の産卵場に留まった滞留群について成長履歴と肥満度を調べた。北上群は滞留群より5~10℃低い水温を夏季に経験しているにもかかわらず、滞留群と同程度の成長を達成した。一方で低水温下での代謝速度の抑制によって、索餌期末の秋における肥満度は北上群が滞留群より高いことがわかった。 天然稚魚の生態学的知見と被食回避実験結果から最適と判断された条件で、ホシガレイ種苗を宮古湾奥津軽石川河口域に放流した。市場回収率は従来の0.7~5.0%から7.7~15.7%に増加し、生態的特性を基礎とした放流技術が栽培漁業の展開に不可欠であることを示した。 安定同位体を用いた解析により、三陸沿岸に生息するエゾアワビと相模湾に生息するトコブシの主餌料は、成長に伴って順に付着珪藻、海藻幼体、海藻成体へと変化することを確かめた。それに伴ってエゾアワビは殼長2~3cmで無節サンゴモ域から大型海藻群落内へと生息場を移すことがわかった。閉鎖的な小規模内湾とリアス式内湾におけるアワビ類幼生の輸送を流動・粒子追跡結合モデルで再現した結果、両者で幼生の分散過程が異なることがわかった。 アサリに対する餌料価値は、珪藻の種によって大きく異なることが給餌実験で明らかとなった。珪藻の餌料価値は、アサリ消化管内における細胞殻の分解率によって決まることがわかった。
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Research Products
(30 results)