2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19209005
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
木山 博資 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 教授 (00192021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中込 咲綾 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (60423894)
小西 博之 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (90448746)
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Keywords | 神経再生 / DINE / 転写因子 / ATF3 / STAT3 / 組織再生 |
Research Abstract |
神経再生を制御する分子の発現を統合的に制御している中核的転写機構が存在すると考えられており、転写因子のATF3,cJun,STAT3の関与がとりわけ重要であることが示唆されている。本年度は、これらの転写因子が直接神経再生関連遺伝子のプロモーターに結合しているのかどうか。また、何らかの分子群との複合体を形成しているとすれば、いかなる分子と複合体を形成しているかなどについて、神経損傷特異的に発現する遺伝子DINEのプロモーターを用いて検討した。まず、STAT3とATF3が相互作用しているかを免疫沈降法等で確認した。さらにATF3と同じファミリーに属するcJunも同様にSTAT3と結合していることが明らかになった。DINEプロモーターのどの領域でこれらの転写因子群が作用しているかを検討したところ、これらの転写因子が作用すると考えられていたコンセンサス配列とは全く異なる領域と関連していることが明らかになった。この領域は転写因子のSp1が結合する領域であったため、ATF3,cJun,STAT3のコンプレックスがSp1と結合している可能性が浮かび上がった。そこで、同じく免疫沈降法等で検討したところ、ATF3,cJun,STAT3はSp1に結合しそれらがコンプレックスを形成しDINEプロモーター上のSp1結合領域に作用していることが明らかになった。このように神経再生と関連しているとお思われていた転写因子群(ATF3,cJun,STAT3)が神経再生とは一見全く関係のない別の転写因子Sp1と複合体を形成することで、神経再生関連遺伝子を発現させていることが初めて明らかとなり、神経再生関連分子発現の新たな制御メカニズムが明らかになった。本複合体がこの他いかなる分子の発現に関与しているかを検討することが次年度以降の課題である。
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Research Products
(5 results)