2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19209005
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
木山 博資 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 教授 (00192021)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 博之 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (90448746)
|
Keywords | 神経再生 / DINE / ATF3 / STAT3 / 転写因子 |
Research Abstract |
末梢神経損傷後の軸索再生現象には、多くの分子群が一定の時期に活性化あるいは抑制されることにより傷害を受けた神経系を再構築する。これら再生に関与する多くの分子群の発現制御機構の解明を本研究は目的にしている。ここまでの研究によりこのメカニズムには再生に特異的な転写因子複合体が存在する可能性が示唆されている。この複合体のうち、神経損傷後特異的に活性化される転写因子としてATF3があり、この転写因子を中心に機能解析を行った。ATF3はAP1ファミリーに属する転写因子c-Junと結合することが示唆されている。そこで、ATF3とc-Junをフレキシブルなポリペプチド鎖で繋いだ融合蛋白を神経系の培養細胞で発現させ、DNAマイクロアレーによる遺伝子プロファイリングを行った。その結果、Translationally controlled tumor protein1(TCTP1),Ligand of Numb protein X2(LNX2)などの神経細胞死の阻止や突起伸展に関与していると考えられる分子が複数同定された。さらに同定された遺伝子が末梢神経損傷動物でも発現誘導されていることを確認した。これらの遺伝子は、軸索損傷後ATF3/c-Junにより発現誘導され、神経細胞の細胞死防御と突起伸展促進を通じて神経再生に関与していると考えられる。このように、我々が神経再生に関係していると考えている転写因子複合体のコアメンバーであるATFとc-Junの発現は、損傷神経の修復に関わる分子群の発現を誘導することが確認された。
|
Research Products
(5 results)