2007 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける「地方的世界」の基層・動態・持続可能な発展に関する研究
Project/Area Number |
19252002
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤井 勝 Kobe University, 大学院・人文学研究科, 教授 (20165343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 康弘 大谷大学, 文学部, 教授 (00216607)
橋本 泰子 (関 泰子) 四国学院大学, 社会学部, 教授 (80236075)
小林 和美 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (90273804)
長坂 格 新潟国際大学, 情報文化学部, 准教授 (60314449)
首藤 明和 兵庫教育大学, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (60346294)
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Keywords | 東アジア / 地方 / 都市 / 農村 / 基層 / 社会変動 / 持続可能性 / グローバル化 |
Research Abstract |
1.本年度は、対象となる11の国・地域(比較のためのフランスを含む)についてすべて現地調査を実施し、その結果として12の調査対象地を確定するとともに、基本的な資料収集と聞き取りを実施できた。そして現地調査等の成果は、本年度3回開催した研究会(2回は公開)において報告され、意見交換を通じて本研究参加者全体に共有されている。 2.これらの現地調査、また調査結果の検討を通じて、本研究では独自の領域区分を導入することになった。つまり従来の北東アジア・東南アジアという区分ではなく、北東アジア周縁域・東アジア内陸域(メコン川流域圏)・東南アジア沿海域という新しい3区分を使用している。なぜなら、この区分によって東アジアにおける「地方的世界」の位置をより明確に示すこと、また「地方的世界」の多様性(歴史的・環境的・文化的)をも表示することができるからである。 3.そして今日、以上の領域区分を超えて、東アジアの「地方的世界」では大きな社会変動が生じていることが明らかになった。概括的にみれば、グローバル化のなかでの経済変動が生じ、国境を越える人や物の流入・流出が激化し、そのなかで「地方的世界」の姿が大きく変容しつつある。重要なことは、この変動の中で多くの「地方的世界」は単なる停滞や衰退ではなく、成長・拡大の側面を示していることである。中心となる地方都市(町)の成長や発展がとくに顕著である。そこには、日本における「地方的世界」とは異なった展開がしばしばみられる。同時に、この変動には経済格差の拡大、地方文化の相対的弱体化、環境破壊などの問題が内包されているので、これらを克服して「地方的世界」の持続可能な発展はいかに可能かが、それぞれの「地方的世界」の課題になりつつある。 4.本年度の研究成果は、本研究のHPに公開されているともに、中間報告書にまとめられている。
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Research Products
(29 results)