2007 Fiscal Year Annual Research Report
オーラルヒストリーの手法によるフィリピン開発主義体制の研究
Project/Area Number |
19252005
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
片山 裕 Kobe University, 国際協力研究科, 教授 (10144403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 隆 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (40092241)
清水 展 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (70126085)
中野 聡 一橋大学, 社会(科)学研究科, 教授 (00227852)
リヴェラ テマリオ 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (70338284)
アビナーレス パトリシオ 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (60314267)
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Keywords | オーラルヒストリー / フィリピン政治 / マルコス政権 / テクノクラート / テクノクラシー / 開発体制 |
Research Abstract |
初年度に当たる平成19年度は、プロジェクトを実施するための体制づくり、ベースライン調査、そして実際の聴き取りの、主な3つを実施した。 (1)体制づくり;フィリピン大学経済学部教授(元国家開発庁長官)パデランガ氏、フィリピン大学第三世界研究所所長テサ・タデム氏の全面的な協力を得て、プロジェクト実施のためのロジスティック体制を構築した。打ち合わせなどの会議は経済学部で行い、2名のR.A.は第三世界研究所でデスクをもらい作業することになった。 (2)べースライン調査;2名のR.A.を中心にマルコスの戒厳令体制を中心に既存研究を整理しデータベースをつくり、さらに政治史的なクロノロジーを作成した。 (3)インタビュー;初年度は、被調査者の健康状態などを考慮し、優先順位の高いテクノクラートに焦点を絞った。その結果、実際の聴き取りを行ったのは4名である。まず、元財務長官(大臣)首相のセサール・ビラタ氏に5回に亘り、計15時間聴き取りを行った。同氏は比較的率直に質問に答えてくれきわめて協力的である。あと数回聴き取りを行い、同氏についてのものだけでも単著として出版することを現在計画している。 その外には、マカパガル期の重要経済閣僚シクスト・ロハス氏に3時間の聞き取りを1回、マルコス期のシンクタンク「フィリピン高等研究所(PCAS)」副所長で、ラモス政権の経済情報長官ホセ・アルモンテ氏には2回、5時間、マルコス期の教育大臣兼フィリピン大学総長、フィリピン開発アカデミー総裁のO.D.コルプス氏に1回3時間、最後にラファエル・サラス元官房長官の側近であったリャグノ氏に1回3時間の聴き取りを行った。 その他:フィリピン大学中央図書館との連携;われわれがこれから実施するインタビューについてのすべての記録はまずフィリピン大学図書館に整理された上で所蔵されることが決まり、そのための話し合いがなされた。同図書館はデータベース構築においても全面的に協力することを約束した。
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Research Products
(10 results)