2009 Fiscal Year Annual Research Report
スマトラ北部におけるスマトラ地震の歪み回復過程とスマトラ断層の歪み蓄積過程の研究
Project/Area Number |
19253003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木股 文昭 Nagoya University, 環境学研究科, 教授 (10089849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田部井 隆雄 高知大学, 理学部, 教授 (40207220)
小川 康雄 東京工業大学, 火山流体研究センター, 教授 (10334525)
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Keywords | 2004年スマトラ地震 / スマトラ断層 / 地震後の地殻変動 / 断層滑り分布 / 断層での歪み蓄積 / GPS観測 / 断層固着 / 電磁気探査 |
Research Abstract |
スマトラ北部において,2004年スマトラ沖地震の歪み回復過程とスマトラ断層の歪み蓄積過程を解明するために,2008年度に引継ぎGPS観測と比抵抗観測を実施した.そして,これらの観測を解析し,同域における地殻変動と比抵抗構造を明らかにし,2004年スマトラ沖地震の余効変動とスマトラ断層における歪み蓄積過程と固着状況,さらには同断層における地震発生ポテンシャルについて検討した. 1)2004年スマトラ沖地震の余効変動 地震発生からすでに5年が経過し,変動は緩やかに減少を示すものの,現在でも最大で年間10cmの南西方向への変位が観測される.地震時に2mをこえる変位が観測された観測域の北部で大きく,南部では5cm/yrにも達しない.これは地震時に大きな滑りを示した断層セグメントの周辺で大きな余効変動が生じていることを示す.なお,滑りが生じる深さについては2010年度に検討する予定である. 2)スマトラ断層における歪み蓄積過程と断層固着の検討 スマトラ北部で,現在もっとも支配的な地殻変動は2004年スマトラ沖地震から生じた余効変動であるが,スマトラ断層周辺では4×10^<-7>/yrに達する大きなせん断歪みが検出された.そして詳細に検討すると変形地形学から推定される断層の左ズレに対応し,年間1-2cmの断層滑りが検出された.この地殻変動から断層滑りの深度は深さ10kmよりも浅いと推定される.比抵抗構造でも断層の地殻浅部で対照的な構造になることから,スマトラ断層は比抵抗構造にも影響を与えていると考えられる. 3)スマトラ断層における地震発生ポテンシャルの検討 推定された断層すべり速度と最近の地震活動から,スマトラ断層北部では既にM6クラスの地震発生に十分な歪みが蓄積していると推定される.
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Research Products
(6 results)