2007 Fiscal Year Annual Research Report
考古遺跡調査への情報技術導入実験-エジプト・アルザヤーン神殿遺跡
Project/Area Number |
19254002
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
亀井 宏行 Tokyo Institute of Technology, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (60143658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 眞紀子 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (10175119)
菱田 哲郎 京都府立大学, 文学部, 准教授 (20183577)
塚本 敏夫 元興寺文化財研究所, 研究部, 室長 (30241269)
大城 道則 駒沢大学, 文学部, 准教授 (00365529)
金谷 一朗 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (50314555)
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Keywords | エジプト / 遺跡調査 / 神殿 / IT技術 / RFID / ミューチップ / 気象観測 / 古環境 |
Research Abstract |
1.アルザヤーン神殿遺跡の発掘調査および保存修復 (a) これまでに発掘されている窯状遺構の性格を明らかにするために,窯状遺構を中心に発掘をすすめ,底部にレンガが規則的に敷き詰められていることを発見した。 (b) 保存修復のために必要な気候条件を知るために,神殿建物の22カ所にデータロガー付きの温・湿度計を設置した。これらは一年後に回収する。また,風向・風速・日照を計測する気象ステーションを遺跡に隣接する民家の屋上に設置することを試みたが,地元警察の許可が得られず断念した。引き続き交渉を進め,次年度には設置する予定。 2.RFID(ミューチップ)の遺跡調査への応用 (a) 砂漠等の発掘現場で使用できる耐塵・耐候性にすぐれたミューチップリーダを開発試作した。 (b) ミューチップを遺物に添付する際の接着剤の適正を調べるために,漆や膠の自然系接着剤から各種合成接着剤を用いて遺物サンプルに接着した資料を作成し,各種環境に暴露する実験を行った(この実験は現在も継続中)。また,保存や修復過程に使われる有機溶剤などの各種薬品に対するミューチップの耐性を調べる実験を行った。これらの実験は東北芸術工科大学文化財保存修復研究センターの協力を得て実施した。 (c) エジプト・アルザヤーン神殿遺跡では,日干しレンガにミューチップを埋め込み,その耐性を調べる実験を行った。一年後にミューチップが読み取り可能か確かめる。 (d) ミューチップに埋め込まれたIDを用いた管理システムとして,遺物などの「もの」を管理するシステムと,発掘や修復などの「過程」を管理するシステムの二つのシステムにわけ,それぞれについて設計を開始した。 3.古環境の復元 アルザヤーン神殿遺跡の周辺の砂の中から採取した植物遺体のC14年代を測定し,この神殿の周辺は今から5千年以前にはかなりの水が存在していた可能性があることを発見した。
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Research Products
(6 results)