2008 Fiscal Year Annual Research Report
考古遺跡調査への情報技術導入実験-エジプト・アルザヤーン神殿遺跡
Project/Area Number |
19254002
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
亀井 宏行 Tokyo Institute of Technology, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (60143658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 眞紀子 首都大学東京, 大学院・都市環境科学研究科, 教授 (10175119)
菱田 哲郎 京都府立大学, 文学部, 教授 (20183577)
塚本 敏夫 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 保存科学研究室長 (30241269)
金谷 一郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50314555)
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Keywords | エジプト / アルザヤーン神殿 / 階段ピラミッド / ICタグ / 温湿度計測 / 衛星画像 / 水環境 / サイエンスカフェ |
Research Abstract |
1.考古学的調査では,前年度までに発掘された遺物の整理作業と実測作業を中心に行った。遺構調査では,アルザヤーン神殿周囲の墓域を,踏査により確認した。 2.アルザヤーン神殿周囲の環境計測については,前年度神殿内12カ所に設置した温湿度計の1年分のデータを回収し分析した。その結果,最高温度は77.5℃,最低温度は2.5℃,最大日較差48.5℃,最大湿度91%,最小5.5%を記録し,露出面ではかなり過酷な環境であり,結露も生じている可能性もあり,日干レンガの建物にとっては良い環境ではないことが判明した。さらに,気象ステーションを神殿に隣接する3階建て民家の屋上に設置して,風向・風速のデータ収集も開始した。 3.前年度日干レンガに埋込んで1年間放置したICタグ(スカイメタル),および温湿度計に添付したICタグ(スカイメタル)について,読み取り実験を行い,すべて読み取り可能なことを確認した。スカイメタルがこのような過酷な環境下で1年間は耐えうることを確認したので,さらに1年間継続して実験を続けることとした。 4.ALOS(だいち)衛星パンシャープン画像をベースマップとするハルガオアシスの神殿と水動態マップを作成することを目的として、画像合成・解析とアルザヤーン神殿周辺の土地利用と水環境に関する現地聞き取りとグランドツルース・データの収集を行った。 5.サッカラのジュセル王の階段ピラミッドの3次元レーザ計測を実施した。 6.サイエンスカフェ「オアシスへのいざない~エジプト西方沙漠~」(2008年5月22日,東京工業大学百年記念館)を開催し,研究成果の一般への公開還元を行った。参加者は,小中学生から一般人まで57名であった。
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Research Products
(8 results)