2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19255001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 克文 The University of Tokyo, 海洋研究所, 准教授 (50300695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島谷 健一郎 統計数理研究所, モデリング研究系, 准教授 (70332129)
依田 憲 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (10378606)
渡辺 伸一 福山大学, 生命工学部, 講師 (20450728)
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Keywords | バイオロギング / 時間周波数解析 / データロガー / 加速度 / ウェーブレット変換 / 時系列 / データマイニング / 南極 |
Research Abstract |
本年度は計4年間の研究期間の最終年度前年度に相当する.昨年度までに開発した時間周波数解析が簡便に行えるソフトウェア(Ethographer)は、市販の時系列ソフトウェアであるIgor Proの中で作動する解析ソフトである。ウェーブレット変換を用いた時間周波数解析を実行し、さらにk-mean法によるクラスター分析によって行動パターンの自動分類が簡単にできるものである。従来、研究者が水生動物の鰭を動かす頻度や体軸角度を調べる目的で加速度計を対象動物に取り付けてデータを得ていた。しかし、32Hzといった高頻度で記録される加速度時系列記録は,事前に意図していた情報以外の数多くの行動情報を含んでいる。Ethographerは,客観的な基準に基づいて加速度波形を分類できるだけでなく、事前に予測していなかった発見を掘り起こすといったデータマイニングにも貢献できる。日本バイオロギング研究会のホームページ上でEthographerを公開したところ、研究会会員がそれをダウンロードして,自らが得た時系列データを解析するといったパターンが定着しつつある.Ethographerは,データロガーによる時系列ダークを解析するユーザーにとって、使いやすい解析ソフトの一つになりつつある。 本年度も引き続き各種野外調査を進め,対象動物は魚類・胆虫類・鳥類・哺乳類へとまたがっている。さらに,共通の測器を用いて得られたデータを種横断的に比較する事により,体サイズと体の動きの関連性について議論するスケーリングの研究成果が得られた.ミズナギドリ目鳥類を対象とした飛翔行動のスケーリング論文と,ペンギン類を対象とした遊泳行動のスケーリング論文を公表する事が出来た.
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